Microsoft Build 2024ハイライト Copilotの強化とCopilot+ PCが注目

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マイクロソフトの年次開発者会議「Build 2024」が5月21日から23日にアメリカ・シアトルで開催されました。GoogleのI/O 2024と同様に、AIが会議の中心テーマとなりました。

Build 2024の主なハイライトは、企業や消費者向けのさまざまなAI統合サービスの発表でした。特に注目を集めたのは、Microsoft 365とTeams向けの生成AIサービス「Team Copilot」の強化です。議題管理、ノート取り、チャットのモデレーション、コンテキストに基づく質問応答などの機能が追加され、企業の業務を自動化するツールとして活用できるようになりました。

もう一つの注目点は、新しいWindowsベースのハードウェア「Copilot+ PC」の発表です。ASUS、Dell、Samsung、Acer、Lenovo、HPから提供される予定で、Intel、Qualcomm、AMDの半導体を搭載し、MacBook Air M3よりも58%高速とのこと。価格は999ドルからで、6月18日に一般発売される予定です。

また、低計算負荷タスク向けに設計され、視覚的な推論能力を持つ「Phi-3-vision」がプレビュー提供されました。これは画像からテキストを抜き出す能力を持ち、28Kのコンテキスト長を誇ります。

その他にも、Qualcommと共同開発した開発者向け「Snapdragon Dev Kit」や、Microsoft File ExplorerへのGit統合、MetaやHugging Faceとのパートナーシップ、Khan Academyとの提携による教育者向けのAIエージェント提供など、多岐にわたる発表がありました。

Build 2024の発表内容を見ると、クラウドに問い合わせるのではなく、手元である程度のAI処理を行う方向性や、ビジネスシーンで使用されることが多いWindowsユーザーの業務をサポートするCopilotの改善に重点が置かれていることがわかります。

大きなサプライズはなかったものの、AIを日常業務に導入できるよう、それぞれの分野で着実に進化を遂げている印象を受けました。MicrosoftのCEOサティア・ナデラとOpenAIのCEOサム・アルトマンが登壇し、今後のAIの進化について議論したことからも、Microsoftがこの分野でリーダーシップを維持し、開発者に新しいツールを提供し続ける意向がうかがえます。