マイクロソフト Copilot Studio に「computer use」機能追加、AI がアプリを直接操作可能に

投稿者:

マイクロソフトは 2025 年 4 月 16 日、「Copilot Studio」に新機能「computer use(コンピューターユース)」を追加したと発表しました。この機能により、AI エージェントがウェブサイトやデスクトップアプリケーションを人間と同じように直接操作できるようになります。

この新機能の最大の特徴は、AI エージェントが GUI(グラフィカルユーザーインターフェース)を認識し、ボタンのクリック、メニューの選択、テキスト入力など、人間が行う画面操作を自動で実行できる点です。API が用意されていないシステムでも、画面操作を通じて自動化が可能になります。つまり「人が操作できるなら、エージェントも操作できる」ことになります。

また、アプリやウェブサイトのボタン配置や画面レイアウトが変わっても、AI が自動で適応し、作業を中断せずに継続できるのも大きな利点です。これにより、従来の RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)ツールの弱点だった UI 変更への脆弱性が克服されます。

具体的な活用例としては、複数のソースから大量のデータをシステムに転記する作業の自動化、オンラインからの情報自動収集による市場調査、請求書からのデータ抽出と会計システムへの自動入力などが挙げられます。これらの作業を自動化することで、手作業によるミスや業務負担の軽減が期待できます。

技術的な特徴として、この機能は Microsoft がホスティングするインフラ上で動作するため、企業は独自のサーバー管理が不要です。データは Microsoft Cloud 内にとどまり、AI モデルの追加学習には利用されません。Edge、Chrome、Firefox など主要ブラウザやデスクトップアプリの画面操作に対応しています。

「computer use」機能は現在、早期アクセスの研究用プレビューとして提供されており、今後さらに多くの業務自動化や AI エージェント活用の幅が広がると期待されています。マイクロソフトは、来月開催される「Microsoft Build 2025」でさらに詳しい情報を公開する予定です。