Meta、研究者向け次世代スマートグラス「Aria Gen 2」を発表

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Meta が 2 月 28 日、研究開発用スマートグラス「 Aria Gen 2 」を発表しました。このデバイスは、 2020 年に始まった Project Aria の次世代モデルで、 AI 、機械知覚、ロボティクスの研究を加速させることを目的としています。一般消費者向けではなく、学術機関や企業の研究者に向けて設計された専門機器です。

Capture from Meta

Aria Gen 2 は、前モデルから大幅に機能強化された多様なセンサーを搭載しています。高性能な RGB カメラ、 6-DOF-SLAM * カメラ、視線追跡カメラに加え、空間マイク、各種センサー( IMU * 、気圧計、磁力計、GNSS * )を装備。さらに新たに、鼻パッドに心拍数を測定する PPG * センサーと、周囲の雑音から着用者の声を分離して認識する接触マイクが追加されました。

処理能力も大きく向上しており、Meta が独自開発したカスタムチップにより、クラウドに依存せずデバイス上で AI 処理を行うことが可能になりました。SLAM による空間認識、視線追跡、ハンドトラッキング、音声認識などをリアルタイムかつ低消費電力で処理できます。

バッテリー性能も前モデルより 40 % 向上し、 1 回の充電で 6 〜 8 時間の連続使用が可能になりました。重量はわずか 75 g と軽量で、長時間の装着でも快適に使用できます。

Aria Gen 2 の応用例として、ジョージア工科大学ではロボットが人間を支援する研究に活用され、Envision という企業は視覚障害者の室内ナビゲーションを支援する AI アシスタントの開発を進めています。BMW はスマート車両に AR / VR 技術を統合する実験にも利用されています。


*6-Degrees of Freedom-Simultaneous Localization and Mapping(同時位置推定と地図作成)

*IMU(慣性計測装置)、GNSS(全球測位衛星システム)、PPG(血流量の変化を測定する光学技術)