Meta が AI 部門を大規模再編を実施

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Meta は 8 月、人工知能( AI )部門の大規模な再編を実施し、これまで存在していた「 AGI Foundations 」部門を解体して、事業構造を 4 つの新しいユニットに再編成しました。新体制は「 Meta Superintelligence Labs ( MSL )」の傘下に置かれ、 Scale AI の創業者である Alexandr Wang 氏が最高 AI 責任者として指揮を執ります。

AGI Foundations 解体の背景

今回の再編の背景には、 4 月にリリースされた Llama 4 の期待外れの性能があります。性能指標の水増し疑惑や透明性の欠如、中国の DeepSeek などオープンソース AI 競合に後れを取っているとの指摘により、業界では Meta の最新 AI モデルが失敗作との評価が広がっていました。

また、 Meta は今年に入り、 OpenAI や Google DeepMind から研究者を引き抜く「大量採用」を展開し、 1 億ドル(約 147 億円)を超える報酬パッケージで人材獲得を進めてきましたが、急激な拡大によるコスト増大と組織の非効率が課題となっていました。

4 つの新ユニット体制

Wang 氏が従業員に送付したメモによると、新体制は以下の 4 つのチームに再編されます:

  1. TBD Lab : Wang 氏自らが率い、 Llama シリーズを含む大規模言語モデルの開発と「オムニモデル」の実現可能性を検証
  2. FAIR ( Fundamental AI Research ) :長期的な基礎 AI 研究に従事し、実世界のモデル開発により直接的に貢献
  3. 製品・応用研究チーム :元 GitHub CEO の Nat Friedman 氏が率い、研究成果を消費者向け製品に統合
  4. MSL インフラチーム : AI トレーニングのためのハードウェア・ソフトウェア基盤を管理

人材配置の大幅変更

再編により、 AGI Foundations の責任者だった Ahmad Al-Dahle 氏と Amir Frenkel 氏は Wang 氏の直属となり、戦略的な MSL イニシアチブに従事します。また、 Meta の AI 分野の象徴的存在である Yann LeCun 氏(チーフ AI サイエンティスト)も Wang 氏に報告する体制となり、業界に大きな衝撃を与えています。

採用凍結の実施

Meta は AI 部門全体で採用凍結を実施し、今後の新規採用は Wang 氏の個人的承認が必要となります。これは大量採用による組織の肥大化を抑制し、既存人材の再配置を優先する方針の表れです。

超知能実現への野心

Wang 氏は内部メモで「超知能の実現が視野に入ってきており、これを真剣に捉えるためには、研究、製品、インフラという重要分野を中心とした組織化が必要だ」と述べています。 Meta は OpenAI 、 Google DeepMind 、 Anthropic との競争において、超知能の世界的な競争における地位確立を目指しています。

業界への影響

この再編は、 Meta が基礎研究中心から製品統合中心へとシフトしていることを示しています。 28 歳の Wang 氏が業界の重鎮である LeCun 氏を統括するという異例の人事は、AI 研究コミュニティで話題を呼んでいます。

一方で、頻繁な組織変更と高額な報酬での人材獲得は、既存スタッフの不満や高い離職率を招いているとの報告もあり、 Meta の AI 戦略の安定性については疑問の声も上がっているようです。