Anthropic が昨年 11 月末に発表した「 MCP ( Model Context Protocol )」が、最近、AI 業界で話題を集めています。
このオープンスタンダードのプロトコルは、AI モデル(特に大規模言語モデル: LLM )を外部データやツールと効率的かつスムーズに連携させる仕組みで、「 AI 分野の USB-C 」と例えられるほど、標準化への期待が膨らんでいます。
MCP の最大の魅力は、AI と外部リソースをつなぐ統一されたインターフェースを提供することです。これまで、AI を外部ツールと連携させるには個別にカスタムコードを書く必要があり、手間とコストがかかっていました。しかし、MCP のおかげで「プラグアンドプレイ」のように簡単に接続できるようになり、従来数週間かかっていた作業がわずか数時間で済む事例も報告されています。
技術面では、MCP はクライアント – サーバー型の構造を採用しています。具体的には、MCP ホストが AI を動かすアプリやインターフェースを指し、MCP クライアントが外部リソースへのリクエストを管理、MCP サーバーが実際のデータソースやツールに接続して情報を取得・処理します。この仕組みにより、AI はリアルタイムでデータやツールを利用でき、より正確で役立つ応答が可能になります。例えば、企業の AI チャットボットが内部データベースやプロジェクト管理ツールにアクセスしてリアルタイムで情報を提供したり、カレンダーの確認や支払い処理を同時にこなしたりできます。
さらに注目すべきは、双方向通信が可能な点です。AI が外部から情報を受け取るだけでなく、外部システムでアクションを実行することもできます。これにより、AI は単なる質問応答マシンから、データやツールと連携して自ら動くエージェントへと進化する道が開かれました。
MCP の柔軟性も強みの一つです。特定の AI モデル( Claude 、GPT、Llama など)に依存せず、異なるプラットフォーム間でも互換性があります。また、MCP サーバーは独立して開発・追加できるモジュール式で、コミュニティが新しいコネクターを作ればすぐに利用可能です。現在、 1000 を超える MCP サーバーが開発され、エコシステムが急速に成長しています。
ただし、課題も存在します。MCP は Anthropic が主導しているため、進化が一社に偏る懸念や、他社が独自プロトコルを開発して再び分断が起きるリスクが指摘されています。また、現時点では対応するツールやサービスが限られており、普及にはまだ時間がかかりそうです。
今後、Anthropic はリモート MCP サーバーのサポートを計画しており、ローカルだけでなくクラウド上での利用も広げる予定です。オープンソースの特性を生かし、開発者コミュニティの協力で多様なツールとの連携が進むことで、AI 技術の可能性がさらに広がることが期待されています。