AI 動画生成の Krea は 2025 年 8 月 28 日、リアルタイムでビデオを生成する「 Realtime Video 」機能を発表しました。この機能を使えば、キャンバスに絵を描いたり、テキストを入力したりするだけで、その場で動画が作られていく様子を見ることができます。
描いた瞬間に動画が生成される体験
Realtime Video の最も印象的な点は、 12fps 以上の速度でリアルタイムに動画が生成されることです。ユーザーがキャンバスに線を引いたり、「光る窓のある家」といったテキストを入力したりすると、 AI が即座に反応して動画を作り始めます。これまでは動画生成に数分から数時間かかっていましたが、今回の技術により、創作しながらリアルタイムで結果を確認できるようになりました。
さらに重要なのは、生成される動画の品質です。キャラクターの見た目や動き、全体のスタイルがフレーム間で一貫しており、違和感のない自然な動画に仕上がります。従来の AI 動画生成では、フレームごとにキャラクターの顔が変わってしまったり、動きがぎこちなくなったりする問題がありましたが、この技術でそうした課題が大幅に改善されています。
シンプルな操作で高品質な動画を実現
技術的には「 World Model 」というアプローチを採用し、シーンがどのように変化していくかを AI が学習することで、高速かつ安定した動画生成を可能にしています。例えば、キャンバス上に簡単な図形を描くだけでも、 AI がそれを意味のある動画コンテンツに変換してくれます。
操作方法も多彩で、テキストによる指示はもちろん、キャンバスでのスケッチ、さらにはウェブカメラや画面共有の映像をリアルタイムで別のスタイルの動画に変換することも可能です。 AI の影響度を調整するスライダーも用意されており、細かなコントロールも行えます。
動画制作の民主化が進む
この技術により、これまで専門的なソフトや技術が必要だった動画制作が、誰でも直感的に行えるようになります。 Krea は他にも、参照動画の動きを別のキャラクターに適用する「 Motion Transfer 機能」や、音声に合わせて口の動きを同期させる「 Lip-Sync 機能」なども提供しており、本格的な動画制作が手軽に楽しめる環境を整えています。
また、 8 月上旬には FLUX.1 モデルの統合により画像生成の品質が向上し、多言語でのプロンプト入力にも対応しました。 8K/120fps での動画アップスケーリング機能も追加されるなど、機能の充実が続いています。
現在この機能を利用するには、公式サイトでのウェイトリスト登録が必要で、ベータ版への招待が順次行われています。基本的な利用は無料ですが、本格的な創作活動には月額 30 ドル(約 4470 円)のプロプランが推奨されています。