中国発の AI スタートアップ「Kling AI」が、2025 年 4 月に大規模アップグレードを発表しました。主な新機能は、動画生成用の「KLING 2.0 Master」と画像生成用の「KOLORS 2.0」です。今回のアップデートは、プロンプト(指示文)への忠実度、リアリティの高い出力、編集機能の強化が大きな特徴となっています。
「KLING 2.0 Master」は、プロンプトの解釈精度が大幅に向上し、複雑な指示や連続したアクションも正確に反映できるようになりました。例えば「女性がベンチに座り、立ち上がって夕日に向かって歩く」といったシーンも、自然な動きで生成できます。キャラクターや物体の動きがより滑らかで自然になり、服のひらめきや物の落下など物理現象の表現も大幅に進化しました。
また、1080p までの高解像度に対応し、ライティングやディテール、表情の再現性も向上。映画のようなクオリティで動画が生成できます。さらに、マルチエレメントエディターが搭載され、動画内の特定要素(背景や登場人物など)を、テキストや画像入力で追加・削除・置換できる新しい編集機能が追加されました。動画生成の長さも最大 10 秒に拡張されています。
一方の「KOLORS 2.0」もプロンプトの指示通りに複雑なイメージやスタイルを反映しやすくなり、映画のようなビジュアルや多様なアートスタイルに対応します。画像編集機能も拡充され、部分的な修正(インペインティング)、画像の拡張(アウトペインティング)、スタイル変換(リスタイル)など、柔軟な編集が可能です。アップロードした画像をワンクリックで別のアートスタイルに変換することも可能です。
Kling AI のツールは、Xiaomi、AWS、Alibaba Cloud など大手企業とも提携し、API 経由で多様な業界に導入が進んでいます。広告、映像制作、エンターテインメントなど様々な業界で、AI による動画・画像生成のインフラとして急速に普及しています。