Googleが開発したAIチャットボット「Google Bard」について、Bloombergの記事によれば、同社の社員は不満を漏らしており、「病的な嘘つき」とまで表現されることがあるようです。しかし、実際のところ、その実力はどの程度なのでしょうか。
残念ながら現在は日本語には対応していませんが、筆者自身が試してみたところ、Email文章の生成や、こちらからの質問に対する回答などは、明らかにChatGPTと比べて劣る印象でした。また、最後にさりげなくディスクレーマーをつけたり、質問者を嫌な気持ちにさせないような書き出し・締めの言葉などもChatGPTの方がより丁寧で自然です。しかし、要約や既存の文章をリファインする使い方では、BardはChatGPTと遜色ないか、むしろ優れているケースもあることが分かりました。
特に複数の文章を提示して、そこから要約をまとめる時には、ChatGPTよりも優れた文章を生成してくれる印象です。また、要約する際には、要約した後にポイントを整理してくれたり、ChatGPTにはない角度で回答を返してくれます。
Bardは、何もないところから文章を生成するのは不得意、土台となる文章から派生させるのは得意。大雑把に言うと筆者はそういう印象です。現時点では、用途に合わせて、ChatGPTとBardを併用すると作業効率を上げることができそうです。
GoogleはBardを「実験的なリリース」と位置付けており、現時点の問題点は重々承知していることでしょう。また先日Google BrainとDeepmindの統合が発表されたこともあり、今後のバージョンアップが順次行われることで、徐々に追いつくか、あるいは特定の機能においてはChatGPTを凌ぐ可能性もあると期待できます。
総じて筆者としては、例え不完全な実験版であったとしても早めのリリースに踏み切ったGoogleの判断は正解だったと評価しています。より多くの人に使ってもらうことで、製品の改善スピードが上がることを期待しています。