Googleは、NotebookLMの新しいバージョンである「NotebookLM Plus」を発表しました。NotebookLM Plusは、主に企業や教育機関を対象とした上位版であり、いくつかの新機能や強化された機能が追加されています。
特に注目すべき新機能として、「インタラクティブオーディオ機能」が挙げられます。この機能により、ユーザーは「Audio Overview」の再生中に、AIホストと直接、音声でやり取りすることができます。Audio OverviewはNotebookLMの人気の機能で、元の素材を提供すると二人のホストが掛け合いしているようなPodcastコンテンツ風の聞きやすい音声データに変換してくれます。
今回のインタラクティブオーディオでは、生成されたPodcastを聴きながら、その合間に、音声で質問をしたり、より詳しい情報を求めたり、ある概念について別の説明を依頼したりすることができます。これにより、「Audio Oveview」はより双方向的になり、個々の学習ニーズに合わせた利用が可能になります。
また、NotebookLM Plusには、Googleの最新AIモデルである「Gemini 2.0 Flash」が組み込まれました。このAIモデルの導入によって、NotebookLM Plusは、画像、動画、音声など、複数の形式のデータを扱えるようになりました。さらに、多言語音声にも対応します。
NotebookLM Plusでは、企業向けの機能も強化されています。企業向けには「Audio Overview」、ノートブック、ソースを保存できる容量は、標準版の5倍以上に増えました。加えて、ノートブックにおける応答のスタイルや長さをカスタマイズしたり、チーム内でノートブックを共有して、その利用状況を分析したりすることもできます。さらに、データのプライバシーとセキュリティも向上しています。
NotebookLM Plusは、Google Workspace、Google Cloud、Google One AI Premiumを通じて提供される予定です。
NotebookLMは元々はGoogle内の実験プロジェクトとしてスタートし、これまでは無料で使えるお試し版のような形でした。Googleでは研究者は自分の業務時間のうち2割は好きなことをやっていい、ということになっていて、その2割の時間を使って生まれたプロジェクトがNotebookLMだったのです。NotebookLMは発表当初から話題でしたが、アップロードした資料をPodcast風の音声コンテンツに変換する機能が爆発的な人気を呼び、ついに今回、さらにパワーアップさせた上で有料コンテンツに昇格しました。
以前にも書きましたが、Notebook LMは現在アメリカの大学生の間で大流行りで、例えば、難しい授業のテキストをNotebookLMに放り込んで、Podcast風の音声にし、それを運転中などの合間の時間に聞いて大枠の内容を把握する、という使い方で人気を博しています。今回、生成されたPodcastに途中で割り込んで自分の質問を聞ける、ということで、さらに人気が出ることが予想されます。