GoogleのLLMモデル「Gemini 1.5」の新バージョン、性能と利便性が向上

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Googleが提供するLLMモデル「Gemini 1.5」に、新たな2つのバージョンがリリースされました。「Gemini-1.5-Pro-002」と「Gemini-1.5-Flash-002」です。これらは本番環境で利用可能で、Gemini APIを通じてアクセスできます。

新バージョンでは性能面での改善が目立ちます。Pro-002では、数学性能が約20%向上し、複雑な数学問題の解決能力が大幅に上がりました。また、幅広い分野での知識と推論能力も改善されています。視覚的理解とPythonコード生成のタスクでも2〜7%の性能向上が見られました。

一方、Flash-002では処理速度が大幅に向上。秒間処理トークン数が増加し、レイテンシーが約3分の1に短縮されました。指示に従う能力も大きく高まっています。

両モデル共通の改善点としては、コンテキストウィンドウが200万トークンに拡大されたこと、出力の長さが最適化されて応答速度が上がったことなどが挙げられます。

価格面でも朗報があります。Pro版では128Kトークン未満のプロンプトに対し、入力トークンで64%、出力トークンで52%の値下げが実施されました。加えて、APIのレート制限も大幅に引き上げられています。

こうした一連のアップデートにより、Geminiモデルはより高性能でコスト効率に優れたものとなりました。AIアプリケーション開発者にとって、大きな後押しになるでしょう。

実際に新バージョンを使ってみると、確かに性能の向上を実感できます。筆者自身、最近はタスクに応じてGeminiを活用する場面が増えてきました。Googleは着実にLLMの性能を引き上げており、その努力が報われているように感じます。今後も定期的なアップデートに期待が持てそうです。