Google は 2026 年 3 月、AI 検索機能「AI Mode in Search」や Gemini アプリ、Chrome 向け Gemini において、個人データと連携する「Personal Intelligence」機能を米国の無料ユーザー全員に開放しました。同機能は 2026 年 1 月 14 日に有料プラン(AI Pro / AI Ultra)向けに先行提供されており、提供開始からわずか約 7 週間での無料化となります。
Personal Intelligence とは、Gmail やGoogle Photos、YouTube の視聴履歴、検索履歴、Google Calendar、Maps など、普段使っている複数の Google サービスを横断して情報を参照し、その人に合った回答を返す機能です。たとえばメールに届いたホテルの予約確認と Google Photos の旅行写真を組み合わせて、家族向けの旅行プランを提案したり、過去の購入履歴や領収書データをもとに買い物の相談に答えたりといった使い方ができます。Chrome 上では、読んでいるウェブページの内容と自分の Google データをあわせて質問することも可能です。
プライバシーへの配慮も明示されています。Google は、Gemini や AI Mode がユーザーの Gmail や Google Photos のデータを AI モデルの学習に直接使うことはないと説明しています。各サービスとの連携はいつでも自分でオン・オフでき、機能の利用には個人の Google アカウントからオプトインが必要です。ただし、法人や学校向けの Google Workspace ユーザーは現時点では対象外となっています。
競合他社との比較で見ると、OpenAI の ChatGPT もユーザーが手動で伝えた情報を記憶することはできますが、Gmail や Google Photos のデータに直接アクセスする手段はありません。Gmail、写真、カレンダー、地図、YouTube 履歴、検索履歴といった幅広いサービスを無料アカウントで一括連携できる点は、現状では Google 独自の強みといえます。
なお、Google の SVP Nick Fox は、Personal Intelligence と広告ビジネスとの関係については「まだ検討中」としつつも、個人情報はプライベートに保ちながら、広告はコンテキストに沿った形になりうると述べています。今回の展開は、AI 検索の概要表示機能「AI Overviews」の導入以来、Google 検索において最も大きな構造的変化と位置づけられています。
