米メディアの The Information が報じたところによると、Google は台湾の半導体メーカー MediaTek と提携し、次世代の Tensor Processing Units ( TPUs )を共同開発する計画があるとのことです。今回のこの動きは、Google が米 Broadcom への依存を減らし、AI チップの開発をより効率的かつコスト削減に向けて進める戦略の一環です。
Google がこれまで TPU の開発において独占的に提携してきた Broadcom から移行する主な理由として、MediaTek のチップがより低コストで提供される点が挙げられます。また、MediaTek は世界最大の半導体製造企業である台湾半導体製造会社 ( TSMC )と強固な関係を持っており、安定した製造基盤を確保できる点も重要な要素となっています。
TPUs は Google が独自に設計した AI アクセラレーター ( ≒ TPU を含むシステム全体 )で、大規模な AI モデルのトレーニングや推論に最適化されています。これらのチップは Google の内部研究やクラウドサービスで使用されており、同社の AI インフラを支える重要な要素です。Google は 2024 年に第 6 世代 TPU を導入し、Nvidia 製チップへの依存を減らす選択肢として提供していますが、依然として Nvidia のチップも併用しており、完全な独立には至っていません。
AI チップ市場では Nvidia が圧倒的なシェアを持っていますが、Google や Meta 、OpenAI などの大手テック企業が独自チップ開発に乗り出しており、市場競争が激化しています。例えば Meta は独自の AI トレーニングチップをテスト中であり、OpenAI も 2026 年までにカスタム AI チップを量産する計画です。
Google は 2023 年に TPU 関連で 60 億 ~ 90 億ドルを投資したと推定されており、この分野への積極的な資金投入が続いています。また、2025 年には 750 億ドルの設備投資予算の約半分をクラウド事業に充てる予定です。
MediaTek との提携による次世代 TPU は 2026 年に生産開始予定であり、この動きが Google の AI 戦略と業界全体にどのような影響を与えるか注目されています。この新しいパートナーシップは、Google が AI ハードウェア開発でより大きな自主性とコストコントロールを確保するための重要なステップとなるでしょう。
筆者の視点:Google は自社開発の AI チップ「 TPU 」の次世代モデルの設計パートナーを、従来の Broadcom から台湾の MediaTek に変更しました。ただ、Broadcom であれ MediaTek であれ、設計部分のみの話で、実際の半導体製造は TSMC に依存しており、3 nm 以下のチップを製造できる台湾の工場に頼らざるを得ないのが現状です。
アメリカのアリゾナ州に新たに建設された TSMC の工場では、4 nm チップの製造がすでに開始されており、2028 年には 3 nm 、2030 年には 2 nm の生産が計画されていますが、それまでの間は台湾の工場に依存する必要があります。この状況は、引き続きアメリカの台湾防衛への関与に影響を与える要因の一つとなっています。
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