Google が提供する AI ノートブックツール「NotebookLM」が、大幅なアップデートを発表しました。複雑な調査を自動化する「Deep Research」機能と、Google ドライブからの多様なファイル形式への対応が追加され、単なるメモアプリから高度な AI リサーチアシスタントへとその役割を大きく変えようとしています。
2025年11月13日に発表された新機能「Deep Research」は、ユーザーが入力した質問に基づき、リサーチプランを自動で立案し、数百ものウェブサイトを調査・分析します。その結果は、情報源を明記した構造化されたレポートとして数分で生成され、NotebookLM のノートブックに直接追加できます。この機能は、単なる情報収集にとどまらず、ユーザーの代わりに「調査エージェント」として機能する点が特徴です。調査の深度は、迅速な概要を把握する「Fast Research」と、より詳細な分析を行う「Deep Research」の 2 つのモードから選択でき、この機能は 2025年11月17日までに全ユーザーへ展開が完了しました。
今回のアップデートでは、NotebookLM に取り込める情報源も大幅に拡張されました。新たに Google Sheets、画像、Microsoft Word (.docx) に対応し、Google ドライブに保存された PDF やファイルを URL で直接参照することも可能になります。特に Google Sheets のデータを直接読み込み、要約や統計的解釈を行える機能は、ビジネスデータの分析を効率化する上で大きな利点となるでしょう。画像ファイルのサポートも今後数週間以内に予定されており、手書きのメモや図表なども知識ベースに統合できるようになります。
これらの新機能により、NotebookLM は、ユーザーが日常的に扱うあらゆる情報を一元的に集約し、AI の力で分析・整理するための強力なプラットフォームへと進化しました。従来、研究者や学生、ビジネスプロフェッショナルが手作業で行っていた情報収集と整理のプロセスを自動化することで、作業時間を大幅に短縮し、より創造的な思考に集中できる環境を提供します。AI が情報との関わり方を根本から変えつつある中で、NotebookLM の進化は、個人の生産性を高めるツールが今後どのように発展していくかを示す一つの方向性と言えるでしょう。
