Googleが目指すAIパワー搭載の検索エンジン「Magi」

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Googleは、現行の検索エンジンにAI機能を追加・アップグレードし、よりパーソナライズされた検索体験を提供する新プロジェクト「Magi」の開発を進めていると報じられています。同社は既に、160人以上のデザイナーやエンジニア、エグゼクティブらがプロジェクト「Magi」に携わっており、2023年5月のローンチを目指しているとされています。

ニューヨークタイムズによると、「Magi」は、ユーザーのニーズを予測し、会話型の体験を提供することを目指しています。また、Googleの収益の主要源である広告も表示される予定です。プロジェクトはまだ初期段階ですが、来月には一部のツールが一般公開されると伝えられています。

Googleの広報担当者ララ・レヴィン氏は、「すべてのブレインストーミングやプロダクトアイデアがローンチにつながるわけではないが、新たなAI機能を検索に導入することに期待しており、近いうちに詳細を発表する予定」とコメントしています。

Googleは、過去数年間でAIをGoogle検索に統合し、LensやMultisearchなどの製品を改善してきました。現在開発中の製品には、AI画像ジェネレーター「GIFI」や言語学習ツール「Tivoli Tutor」も含まれているとされています。

AIチャットボットは、Googleの主力ビジネスモデルである検索クエリに基づく広告販売にとって、深刻な脅威となっています。チャットボットを利用して質問に直接答えを得る場合、従来の検索エンジンの利用が減少し、ウェブサイトへの訪問も減ることが予想されます。その結果、Googleが掲載する広告の表示回数も減少するでしょう。Googleは現在も世界最大の検索エンジンであり、市場シェアは93%を誇っています。昨年の広告収益は合計2240億ドルに達し、全体の収益の79%を占めていました。

Google自身もチャットボット技術に取り組んでおり、過去数年間で独自の大規模言語モデルを開発しています。ただし、バイアスや正確性への懸念から、その導入が遅れていました。

Googleは「Magi」プロジェクトによって、AI技術を検索エンジンにさらに統合し、競合他社やチャットボット技術との差別化を図ることで、引き続き市場での優位性を維持しようとしています。今後の「Magi」の展開によっては、Google検索のパーソナライズされた体験がさらに進化し、ユーザーにとってより便利で魅力的なサービスが提供されることが期待されています。