Google の新 AI モデル「 Gemini 2.5 Pro 」を発表 ー 「 Chain-of-Thought 」を標準搭載

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Google が 2025 年 3 月 25 日に発表した最新 AI モデル「 Gemini 2.5 Pro 」(実験的バージョン)が、「 Chain-of-Thought (思考の連鎖)」機能を標準搭載した点で大きな注目を集めています。この機能により、AI が単に答えを出すだけでなく、推論プロセスを段階的に分解し、思考の流れを可視化しながら結論に至ることが可能になりました。

Chain-of-Thought は、AI が問題解決の過程をステップごとに示す技術です。例えば数学の問題を解く際、単に「答えは 42 」と返すのではなく、「まず与えられた条件を整理し、次にこの公式を適用し、その結果としてこうなる」というように、思考の道筋を明確に示します。これにより、回答の正確性が向上するだけでなく、ユーザーが AI の結論に至る過程を理解しやすくなり、教育用途や専門的な分析にも役立つとされています。

Google DeepMind の CTO である Koray Kavukcuoglu 氏は、「 AI の『推論能力』とは、単なる分類や予測を超え、情報を分析し、論理的結論を導き、コンテキストやニュアンスを取り入れ、情報に基づいた意思決定を行う能力を指す」と説明しています。

Gemini 2.5 Pro は、数学や科学、コーディング、マルチモーダルな推論において優れた性能を発揮しており、業界標準の SWE-Bench Verified では 63.8% を達成。また、コンテキストウィンドウが現時点で 100 万トークン(近日中に 200 万トークンに拡張予定)と非常に長く、膨大なデータや複雑な問題を扱うのに適しています。

競合との比較では、同様に「思考の連鎖」機能を搭載している OpenAI の「 o1 」や DeepSeek の「 R1 」などの推論モデルに対し、Gemini 2.5 Pro はマルチモーダル対応や長いコンテキストウィンドウで差別化を図っています。また、思考過程を公開する透明性が特徴的で、OpenAI の o1 が内部プロセスを完全にはオープンにしないのに対し、Gemini はユーザーにその流れをオープンに見せる点が異なります。

Gemini 2.5 Pro は現在、Google AI Studio(開発者向け)と Gemini Advanced(有料サブスクリプション、月額 20 ドル)のユーザーに展開されています。今後、Vertex AI(企業向けプラットフォーム)でも利用可能になる予定です。