Google は 2025 年 10 月 9 日、企業向けの新しい AI プラットフォーム「 Gemini Enterprise 」を発表しました。このサービスの特徴は、コーディング経験のない従業員でも AI エージェントの作成や展開、管理ができる点にあります。
Gemini Enterprise は、 Google の最新 AI モデル「 Gemini 」シリーズを中核に据え、職場における AI 利用の入り口として位置づけられています。 Google Cloud の CEO である Thomas Kurian 氏は、「従来の AI ツールは組織内で孤立して使われていた。本当の意味での変革を実現するには、業務の流れや人々を結びつける統合的なプラットフォームが必要だ」と述べています。
主な機能として、ノーコードで作れる AI エージェント作成があります。マーケティングや財務といった各部門に特化したエージェントがあらかじめ用意されており、技術者でなくても業務プロセスの自動化が可能です。さらに、 Salesforce や SAP などの外部ツール、 Microsoft 365 や Google Workspace といった社内データとも安全に連携できます。
提供される機能は幅広く、データサイエンス向けのエージェントや、40 以上の言語に対応した顧客対応用の AI も含まれます。開発者向けには Gemini CLI や Agent2Agent Protocol など、拡張性の高いツールも用意されています。
価格は Gemini Business がユーザーあたり月額 21 ドル(約 3100 円)、 Gemini Enterprise Standard/Plus が月額 30 ドル(約 4400 円)となっています。既に HCA Healthcare や Best Buy などが導入を進め、業務効率化の成果を上げているとのことです。
Google Cloud の年間収益は 500 億ドル(約 7 兆 4000 億円)を超えており、今回の Gemini Enterprise は企業向け AI 市場における同社の立ち位置をさらに強化する製品になりそうです。