Google は 2025年11月18日、約8ヶ月ぶりとなる大型アップデート「Gemini 3」を正式発表しました。同社の AI モデルとしては大幅な性能向上を実現し、主要 AI ベンチマークにおいて OpenAI の GPT-5.1 を上回る結果を記録しています。
今回発表された Gemini 3 Pro は、マルチモーダル理解を測定する MMMU-Pro で 81.0% を記録し、GPT-5.1 の 76.0% を5ポイント上回りました。動画理解においても Video-MMU で 87.6% を達成し、従来版から大幅に改善されています。競技プログラミングを評価する LiveCodeBench Pro では Elo 評価 2,439 を記録し、GPT-5.1 の 2,243 を約200ポイント上回る結果となりました。
特に注目すべきは「Deep Think」と呼ばれる強化推論モードの導入です。この機能により、Humanity’s Last Exam(2,500問の難問)で 41.0% を記録し、通常モード(37.5%)や GPT-5 Pro(30.7%)を上回る性能を示しています。数週間以内に Google AI Ultra 加入者向けに提供される予定です。
Google は同時に「Antigravity」という新しい開発プラットフォームも発表しました。エージェント・ファーストの設計により、開発者は直接エディタ、ターミナル、ブラウザにアクセス可能となります。大規模リポジトリでの作業において Cursor 2.0 より 40% 高速なナビゲーション速度を実現しているとのことです。
料金体系については、20万トークン以下のプロンプトで入力200万トークンあたり 2ドル(約300円)、出力200万トークンあたり 12ドル(約1,800円)に設定されています。Google AI Pro(月額 20ドル、約3,000円)および Ultra(月額 250ドル、約37,500円)の加入者は Search AI Mode での利用が可能です。
市場では好反応を示しており、Alphabet 株価は発表翌日に 3% 上昇しました。独立分析機関 Artificial Analysis は「Gemini 3 Pro が AI のリーダーに躍り出た」と評価し、業界専門家からも高い評価を受けています。
