投稿者: Google DeepMind の CEO デミス・ハサビス氏が 2025 年 7 月 25 日、同社の AI プロダクト群が 6 月の 1 か月間に処理したトークン数が「 980 兆」を超えたことを公表しました。これは 5 月の処理量の 2 倍以上という劇的な増加で、 AI 業界における急速なスケールアップを象徴する出来事として注目されています。
トークンとは、 AI がテキストやデータを理解・生成する際の基本単位であり、単語や文字の断片として処理されます。 Gemini モデルの場合、 1 トークンは約 4 文字に相当するとされています。この規模の処理量は、検索、翻訳、画像生成、対話型 AI など、 Google の幅広いサービスでの利用拡大を反映しています。
この劇的な増加の主な要因として、 Gemini Flash 2.5 をはじめとする最新の「推論モデル」の利用拡大が挙げられます。これらの新世代モデルは、従来よりも桁違いに多くのトークンを扱いながら、より正確な応答や高度な推論を実現しています。例えば、 Flash 2.5 は前バージョンの約 17 倍のトークンを消費し、推論タスクのコストも 150 倍に増加しているとされています。
1 クアドラリオン（ 1,000,000,000,000,000 ）という処理量は、日常的な概念を遥かに超える規模です。業界関係者によると、 2024 年の AI 業界全体の年間トークン処理量が 1 クアドラリオンだったことを考慮すると、 Google が単独で 1 か月でこれを達成したのは驚異的な成果だとされています。
Google は AI 基盤の強化や、 Gemini ファミリーをはじめとした多様な AI プロダクトの高速・大規模展開を推進しています。同社は世界最大級のデータセンターインフラを有しており、短期間での処理能力倍増を支えるクラスタの追加や最適化を行っています。
この成長は、 AI が社会のあらゆる領域で急速に普及しつつあることを示すとともに、 Google が業界をリードする AI インフラ・モデルの提供者として存在感を高めている証拠でもあります。今後も Gemini Pro3 や VEO4 、 Imagen V5 などの新しいモデルの導入により、さらなる利用拡大とスケールアップが予想されています。