Google、AI開発の最前線に立つための大規模な組織再編を発表

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GoogleのCEOであるSundar Pichai氏は、AI製品開発を加速するために、AIチームを同社のフラッグシップ部門であるDeepMindの下(Demis Hassabisの組織)に統合すると発表しました。この組織再編により、AIの開発と開発に必要なコンピューティングパワーが一元化されます。また、ハードウェア、ソフトウェア、AIの取り組みを統合する新しいPlatform and Devicesチームが設立され、Android、Chrome、検索などにAIを使った新機能が順次追加される予定です。

Pichai氏は、これらの動きにより、フォーカスと明確さが高まると強調しています。Googleは、Microsoft/OpenAIへの対抗意識から、生成AI(genAI)競争での遅れを取り戻すことを目指しています。最近では、Gemini 1.5 Proやオープンソース版LLMのGemmaのアップデートをリリースするなど開発を加速しています。

一方で、GoogleはAIツールが不正確な歴史的認識に基づく画像を生成したことで批判を受けており、消費者向けAI製品の潜在的なリスクに対処するために、新たな「Trust and Safety」チームを発表しました。また、イスラエル政府/軍との契約に抗議した28人の従業員が解雇されるなど、社内でも緊張が高まっています。

今回の組織再編は、Googleが競争力を維持するためにAI開発を加速させることに真剣に取り組んでいることを示しています。また、効率化とコスト削減にも重点を置いていることがうかがえます。ただ、Googleは昨年にも組織改変を行なっています。頻繁に組織をいじるということは、逆にいうとうまくいっていないことの裏返しなのか、と若干勘繰ってしまいます。

最近はGoogleやDeepmindの退職者が次々とAIスタートアップを立ち上げて成功する事例が出てきていますが、今回の組織再編により、Googleがもう一度AIの業界でリーダーとして突出することができるのか、注目したいと思います。