【Breaking News】Figure AI が実証、シミュレーション学習を実機にそのまま適用し、動きを完全再現

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Figure AI が最新の研究成果として、2025 年 3 月 25 日に第二世代ヒューマノイドロボット「 Figure 02 」の自然な歩行能力を実現したデモを公開しました。

注目すべきは、Figure 02 が強化学習( Reinforcement Learning )技術を活用して、これまでの機械的な動きから脱却し、より人間らしい自然な歩行を実現した点です。Figure AI は仮想空間内に高精度の物理シミュレーターを作り、その中でロボットの歩行訓練を実施。このシミュレーション環境では、数千体の仮想ロボットが並行して動作し、数年分の学習データをわずか数時間で収集することに成功しました。

特筆すべき技術的成果として、シミュレーション空間内で訓練した制御ポリシーは、現実の世界で追加の調整作業をすることなく、実物のロボットに直接適用する「ゼロショット転移」を実現しています。この成功は、シミュレーションの物理的な忠実度と、摩擦や重力などのパラメータをランダムに変化させる「ドメインランダマイゼーション」技術を活用することで可能になりました。

公開されたデモ映像では、Figure 02 が以前のモデルと比べて明らかにスムーズで自然な歩行を見せています。踵やつま先の上げ下げ、腕の振りを同期させた人間らしい動きが実現され、歩行速度も約 2 倍に向上したと報告されています。

Figure 02 は AI 推論能力が前世代の 3 倍に増加し、6 つの RGB カメラと音声機能を搭載。さらに 16 の駆動域を持つ人間に近い手が実装され、最大 25kg の物体を持ち上げることが可能です。

同社は 2025 年を重要な年と位置付け、生産の拡大や家庭向けロボットの展開を計画しています。今回、仮想空間内でトレーニングができることが実証できたことで、今後工場での作業支援や高齢者介護など、人間と共存する環境での実用化に向けて、開発が加速していくことになります。


筆者の視点:2025 年の展望(後編)でも触れましたが、これまでヒューマノイドロボットの開発では、トレーニングデータの不足が大きな課題となっていました。そうした中で今回、仮想空間でのシミュレーション結果をそのまま実機に適用しても、自然な動作が可能であることが確認できたのは、非常に大きな前進です。この手法を用いれば、大量のトレーニングデータを事前に準備することなく、ロボットに多様な作業を短時間で効率よく学習させることが可能になります。これにより、ヒューマノイドロボットの実用化はさらに加速していくでしょう。2025 年を皮切りに、来年あたりから本格的にロボットが産業界へ導入され始めると見込まれます。