米企業における生成AI活用が本格化:a16zの調査結果

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米ベンチャーキャピタルのAndreesen Horowitz(a16z)によると、Fortune500などのそれぞれの業界をリードする企業、約70社への聞き込み調査を実施し、この半年でそうした企業が生成AI(genAI)の導入・活用する姿勢にダイナミックな変化が起きている実態が浮かび上がってきた、とのことです。

それらの企業の2023年の生成AIにかける平均の年間予算は約700万ドル(約10億円)でしたが、2024年にはそれが2倍〜5倍に増加するものと見込まれています。また、企業全体のイノベーション予算に占めるAI関連投資の割合は25%未満まで増え、その投資に対するリターンとして、全体の生産性や顧客満足度、効率性・精度の向上など、より具体的な成果を重視するようになってきたとのことです。

また、企業は特定のサービスに依存するベンダーロックインを嫌い、複数のモデル(大規模言語モデル:LLM)を並行して活用する傾向にあります。とりわけオープンソースのLLMへの移行が進んでおり、回答者の46%がオープンソースを好むと返答しています。その理由としては、コストの問題というよりも、オープンソースモデルを自社内に導入することで、導入企業の要望に合わせた独自の制御やカスタマイズが容易なところ、企業内データを外部に出さないセキュリティ面などが重視されている、とのことです。

こうした企業の主な利用方法は、社内の生産性向上ツール、コーディング支援、カスタマーサポートなどですが、顧客向けアプリケーション(BtoC)については(その出力内容に信頼がおけない面があるからか)慎重な姿勢がみられています。

現在、米国企業における生成AIの導入は大きな転換期を迎えています。2024年末までにモデルのAPI利用料やカスタマイズ費用など、企業全体の生成AI関連の総支出は50億ドル(約7600億円)以上に達すると予測されており、急速に拡大する市場となっています。今回の調査は、米国企業における生成AI技術に対するダイナミックな取り組みの本格化およびアメリカで急速に拡大するAI関連市場の状況を伝えています。

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