AI 音声技術を手がける ElevenLabs は 11 月 11 日、初開催の ElevenLabs Summit で「Iconic Voice Marketplace」を正式発表しました。企業が著名人の AI 複製音声を合法的にライセンス利用できる新サービスです。
現在 28 人の著名人音声が利用できます。92 歳のマイケル・ケインが存命セレブとして初参加したほか、ライザ・ミネリ、ジュディ・ガーランド、ジョン・ウェインなどエンターテインメント界のスター、ベーブ・ルース、ジム・ソープなどスポーツ界のレジェンド、さらにトーマス・エジソン、マヤ・アンジェロウ、アラン・チューリングといった歴史上の偉人まで幅広く揃えています。なお、ElevenLabs の投資家である俳優のマシュー・マコノヒー氏は自身のコンテンツで同社の技術を利用していますが、彼の声はマーケットプレイスでのライセンス供与対象外となっています。
同社 CEO の Mati Staniszewski 氏は今回の発表を「有名人コンテンツの倫理的な利用とライセンシングの道を開いた」と説明しています。ElevenLabs は正当な権利を持つ保有者とのみ協業し、「許可、透明性、公正な補償」を約束するアプローチを採用しています。
ElevenLabs の企業評価額は 2025 年 9 月時点で 66 億ドル(約 9,900 億円)となり、1 月の 33 億ドル(約 4,950 億円)から倍増しました。既存の Voice Library 事業では 1 万以上の音声を扱い、クリエイターに 1,100 万ドル(約 16 億 5,000 万円)超の報酬を支払っています。
今回の取り組みは、音声 AI が実験段階から本格的なビジネス利用へと移行する節目となりそうです。
