AI 音声技術を手がける ElevenLabs は、2026 年 2 月 12 日にオーディオブック制作プラットフォーム「ElevenReader Publishing」を正式公開しました。同社は前月に 1 億 8,000 万ドル(約 270 億円)の資金調達を完了しており、著者や出版社が迅速かつ低コストでオーディオブックを制作できる仕組みを提供します。
従来のオーディオブック制作では、3〜6 ヶ月の期間と 80,000 語の書籍あたり 2,000〜5,000 ドル以上の費用が必要でした。ElevenLabs のプラットフォームを使えば、多くの著者が数日で原稿を完成したオーディオブックに仕上げられます。月額 5 ドルから 330 ドルのプランで利用可能で、制作コストを大幅に抑えることができます。
プラットフォームには 1 万以上の多様な音声が用意され、90 言語以上でのナレーションに対応しています。著者は自分の声をクローン化したり、音響効果や音楽を追加したりして、没入感のある作品を作れます。完成した作品は Spotify や InAudio などの主要プラットフォームに直接配信できます。
収益面では著者に有利な条件を設定しています。Spotify でのプレミアムリスナーによる視聴では著者が売上の 100% を受け取れ、その他のプラットフォームでは 80% に設定されています。また、ElevenReader での直接販売では 60% のロイヤリティを獲得でき、同社はこれを従来のオーディオブック業界の標準的な配分率の約 2 倍としています。また、ストリーミング再生では 1 時間あたり 0.20 ドルが支払われ、リスナーが 11 分以上視聴した場合は著者に約 1.10 ドルが支払われます。Statista の調査によれば、現在オーディオブック化されている書籍は全体の 5% 未満であり、このプラットフォームによって独立著者の参入が促進されると期待されています。
ローンチ時点では米国の著者と英語タイトルのみが対象ですが、今後は 32 言語への拡大や著者向けマーケットプレイスの開設も計画されています。
