AIコーディングプラットフォームを提供する Cursor が、シリーズ D 資金調達ラウンドで 23 億ドル(約 3588 億円)を調達し、企業評価額が 293 億ドル(約 4 兆 5708 億円)に達したことを発表しました。この評価額は、わずか 5 ヶ月前の 2025 年 6 月に行われたシリーズ C ラウンドでの 99 億ドル(約 1 兆 5444 億円)から約 3 倍に上昇しており、AI 開発ツール市場における同社の成長スピードと投資家の高い期待を示しています。
今回のラウンドには、既存投資家の Thrive Capital、a16z (Andreessen Horowitz)、Accel、DST Global に加え、新たに Coatue、NVIDIA、Google が戦略的投資家として参加しました。調達した資金は、主に技術研究、製品開発、自社開発 AI モデル「Composer」を含むフロンティアモデルのトレーニング、そして米国拠点のチーム拡大に充てられる予定です。
Cursor の評価額は、2024 年 12 月のシリーズ B での 26 億ドル(約 4056 億円)、2025 年 6 月のシリーズ C での 99 億ドル(約 1 兆 5444 億円)、そして今回と、急速に上昇を続けています。
製品面では、2025 年 10 月 29 日に、初の自社開発コーディングモデル「Composer」とプラットフォームのメジャーアップデート「Cursor 2.0」をリリースしました。「Composer」は Mixture-of-Experts (MoE) アーキテクチャを採用し、毎秒 250 トークンを生成する高速処理を実現。大規模なコードベースの操作に特化しています。一方、「Cursor 2.0」は、最大 8 つの AI エージェントを同時に実行できる新しいインターフェースを特徴とし、開発者がより本質的な問題解決に集中できる環境を提供します。
2022 年に設立された同社は事業も急成長しており、2025 年 11 月までに年間経常収益 (ARR) は 10 億ドル(約 1560 億円)を超えました。現在、Fortune 500 企業を含む数百万人の開発者に利用されています。CEO の Michael Truell 氏は、今後 10 年間でコーディングが世界の生産性を牽引する最大の要因になると述べています。今回の資金調達と製品の進化は、AI 駆動型ソフトウェア開発市場における同社の主導的地位をより強固なものにしそうです。
