【Breaking News】AI がブラウザを自律開発ーCursorが公開した実験の成果と課題

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AI統合開発環境(IDE)を提供する Cursor は、GPT-5.2 を活用した AI コーディングエージェントが、300 万行を超える規模のウェブブラウザをゼロから自律的に構築した実験結果を公開しました。

この実験の目的は、通常は人間の開発チームが数ヶ月を要するような大規模プロジェクトを、AI エージェントがどの程度まで自律的に処理できるかを検証することでした。ピーク時には約 2,000 もの AI エージェントが同時に稼働。プロジェクト全体を計画する「プランナー」、具体的なコーディングを行う「ワーカー」、品質を管理する「ジャッジ」といった階層的な役割分担システムを採用し、エージェント間の協調作業を実現しました。特に、高度な推論能力を持つ GPT-5.2 が担ったプランナーの役割が、プロジェクトの一貫性を保つ上で重要でした。

最も大きな成果として報告されたのが、「FastRender」と名付けられたウェブブラウザです。わずか 1 週間で 300 万行以上のコードが生成され、Rust で書かれた独自のレンダリングエンジンや、HTML 解析、カスタム JavaScript 仮想マシンまで含まれていました。

しかし、このブラウザは「ある程度機能する」レベルと評価されており、単純なウェブサイトの表示は可能ですが、セキュリティや拡張機能といったプロダクションレベルの品質には達していません。一部の開発者からは、生成されたコードの多くはコンパイルできず、実態を過大に表現したマーケティングだとの指摘も上がっています。Cursor のエンジニアも、今回の目的は実用的なブラウザ開発ではなく、マルチエージェントの動作を大規模に観察することであったと説明しています。

また、この 1 週間の実験では 10 兆から 20 兆トークンが消費され、コストは数百万ドル(数億円規模)に達したと推定されており、経済的な課題も浮き彫りになりました。

Cursor は他にも、既存コードベースのフレームワーク移行や Windows 7 エミュレータの構築といった実験も行っており、AI が単なるコード補完を超え、大規模なソフトウェア開発を担う可能性を示唆しています。AI による自律開発の未来は近づいているものの、実用化には性能向上とコスト削減が大きな課題となりそうです。