Anthropic は 2025 年 6 月 25 日、 Claude AI チャットボットの「 Artifacts 」機能を大幅にアップグレードしました。この更新により、プログラミング知識がない人でも、簡単なテキスト指示だけでインタラクティブな AI アプリを作成・共有できるようになります。
新しい Artifacts ワークスペースでは、ユーザーが日常会話のようにアイデアを説明するだけで、 Claude が自動的にアプリのコードを生成します。例えば「スペイン語のフラッシュカードアプリを作って」と言うだけで、実際に使えるアプリが数秒で完成します。
作成できるアプリの幅は広く、学習ゲーム、教育ツール、データ分析用のダッシュボード、文章作成支援ツール、業務自動化アプリなど多岐にわたります。しかも本格的な UI やファイル処理機能も含まれており、見た目も機能も実用的なレベルに仕上がります。
このアップデートで特に画期的なのは、作成したアプリが Claude の AI 機能をそのまま利用できることです。アプリ内でユーザーの質問にリアルタイムで答えたり、データを分析したりする機能を簡単に組み込めます。しかも、 AI の利用料金は開発者が負担する必要がなく、実際にアプリを使う人のアカウントに課金される仕組みになっています。
完成したアプリの共有も非常に簡単です。リンクを作成するだけで、すぐに他の人と共有でき、面倒なサーバー設定やデプロイ作業は一切不要です。共有されたアプリは、他の Claude ユーザーが自分のアカウントで利用できるため、コミュニティ全体でアイデアを発展させる文化が生まれやすくなります。
この機能は無料プランを含む全ての Claude ユーザーが利用できます。 Pro プラン(月額 20 ドル(約 2,890 円))や Max プラン(月額 25 ~ 30 ドル(約 3,610 ~ 4,340 円))のユーザーはもちろん、無料ユーザーでもアプリの作成・共有が可能で、 Anthropic は幅広いユーザー層へのアプローチを狙っています。
実際、 Artifacts は 2024 年のローンチ以来、既に 5,000 万人以上が利用し、 5 億を超える作品が作られています。教育現場から企業の業務効率化まで、様々な場面で活用されている実績があります。
このアップデートにより、 Claude は Google の Gemini Canvas や OpenAI の ChatGPT Canvas と並ぶ、本格的なアプリ開発プラットフォームとしての地位を確立しました。技術的な知識がなくても、アイデアさえあれば誰でも実用的なアプリを作れる環境が整ったことで、アプリ開発の裾野が大きく広がりそうです。