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中国製ヒューマノイドロボットが100m走でボルトの世界記録を上回る、北京で第2回ロボット競技大会が開幕

中国製ヒューマノイドロボットが100m走でボルトの世界記録を上回る、北京で第2回ロボット競技大会が開幕
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2026年8月22日(土)、北京で「第2回世界ヒューマノイドロボット競技大会」が開幕しました。会場は 2022年冬季五輪で使われたスピードスケート場(通称「アイス・リボン」)です。今大会には 666チーム・2,056体のロボットが参加しており、前年の約 280チーム・500体から大幅に規模が拡大しました。陸上・卓球・サッカーなど 51種目・1,000以上の競技が 5日間にわたって行われています。

大会で最も注目を集めたのが 100m 走です。北京市が後援する研究センターが開発したロボット「天工 Ultra(Tiangong Ultra)」が、開幕式のレースで 9秒39を記録しました。ウサイン・ボルトが 2009年のベルリン世界陸上選手権で打ち立てた人類の世界記録 9秒58を 0.19秒上回るタイムです。2位はスマートフォンメーカー Honor 社製の「Lightning」で 9秒47でした。大会主催者によれば昨年の優勝タイムは 21秒50だったといい、わずか 1年でロボットの走行速度は約 2倍に向上したことになります。Honor 社は大会前の試走で 9秒32・最高速度 毎秒14.5m を記録したとも発表しています。ただしゴール後、ロボットが自力で止まれずクッションに激突して倒れる場面も見られ、停止制御の難しさも浮き彫りになりました。天工 Ultra は翌日の 400m 競技でも 38秒15を記録し、こちらも人類の世界記録を約 5秒上回っています。

跳躍種目でも注目の結果が出ました。X-Humanoid(北京)製のロボットが、助走なしで跳ぶ立ち高跳び(スタンディング・ハイジャンプ)で 2.88m を記録しています。報道ではキューバのハビエル・ソトマヨルが 1993年に樹立した走り高跳びの世界記録 2.45m と比較されていますが、両者は助走の有無という点で条件が異なるため、単純な比較には注意が必要です。それでも前年大会の最高記録が 0.95m だったことを考えると、1年間での跳躍性能の伸びは無視できません。

一方、課題も目立ちました。転倒や発火といったトラブルが相次ぎ、技術的な完成度という面ではまだ開発途上であることが改めて示されました。また、専門家からも「人間の陸上競技とまったく同じ条件での比較ではない」と批判する声が上がっており、現時点でのヒューマノイドロボットはデモや研究用途が主体で、実用的な大規模展開にはまだ時間を要するとみられています。

今大会が開かれた背景には、激化する米中の技術競争があります。先月、米連邦通信委員会(FCC)は国家安全保障上の懸念を理由に中国製ヒューマノイドロボットの輸入禁止を発表しました。一方の中国は 2025年にハイテク産業向けの国家支援ファンドを設立し、今後 20年間で 1兆元(約 1,480億ドル・約22兆2,000億円)規模の官民投資を見込む計画を掲げています。モルガン・スタンレーはヒューマノイドロボット市場が 2050年までに 5兆ドル(約750兆円)規模に達すると予測しており、中国だけで約 3億体が稼働する可能性があるとしています。今回の大会は、その競争の最前線を可視化した場といえるでしょう。

細かく見れば、完成度への疑問や条件の違いなど指摘できる点は確かにあります。しかし、中国のテクノロジー開発において繰り返されてきたのは、完璧さより速度を優先し、課題を抱えながらも市場に出し続けることで、気づけば世界トップクラスの水準に達しているというパターンです。EVや太陽光パネルでも同じ光景が見られました。今回のロボット競技大会も、その文脈で捉えるべきでしょう。個々の課題をあげつらって過小評価していると、その成長スピードに置いていかれるリスクがあります。100m走において 1年で速度が 2倍超になり、その他にも複数の競技で世界記録を上回ってきたという事実は、真剣に受け止める必要があります。