AIを使った新薬開発に取り組むスタートアップ企業、Basecamp Researchが、シリーズBラウンドで新たに6,000万ドル(約90億円)を調達しました。この資金は、Singularがリードし、他にもS32、Redalpine、True Ventures、Hummingbird Venturesなどが参加しました。これにより、Basecamp Researchがこれまでに調達した資金の総額は、8,500万ドル(約127億円)に達しました。
Basecamp Researchは、AIを使って新しいタンパク質を見つけ出し、新薬の開発を支援するバイオテクノロジー企業です。自然界にある様々なタンパク質の情報を集めた巨大なデータベースを構築し、AIを使って分析することで、未探索の薬の成分や材料を見つけ出そうとしています。このデータベースは「AI対応の基盤データベース」と呼ばれ、製薬会社などのパートナー企業にも共有され、新しい発見を促すための基盤となります。
今回調達した資金は、このデータベースをさらに充実させるために使われます。具体的には、既存のデータベースよりもはるかに多くの生物学的情報を網羅し、AIによる分析能力を高めるためのコンピューターへの投資、そして新しい分析モデルの開発などが予定されています。
さらに、Basecamp Researchは、マサチューセッツ工科大学(MIT)とハーバード大学のブロード研究所と共同研究を行うことも発表しました。この共同研究では、遺伝子を操作することで、より効果の高い薬を開発することを目指しています。
Basecamp ResearchのCEOであるDr. Glen Gowersは、「AIを使ったバイオテクノロジーの研究をさらに進めるためには、業界全体で不足しているデータを集めることが重要です」と述べています。