Apple、小型オープンソースAIモデル「OpenELM」を発表 – iPhoneやMacでの高効率な実行を実現

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Appleは、iPhoneやMacなどのデバイス上で効率的に動作するように設計された小型のオープンソース言語モデル「OpenELM」を静かにリリースしました。

OpenELMは、公開データセットで学習された4つの異なるパラメータサイズ(270M、450M、1.1B、3B)の8つのモデルで構成されており、非常にコンパクトであるため「オンデバイス」での使用に最適化されています。これにより、クラウドサーバーとの通信に頼ることなく、デバイス上で独立してAIタスクを処理できるようになります。

AI2(Allen Institute for AI)がリリースした同等のオープンソースモデルであるOLMoと比べ、OpenELMは2倍少ないトレーニングデータで若干の性能向上を達成しています。また、OpenELMの学習に使用されたライブラリ「CoreNet」も公開されています。

この発表は、6月に行われるAppleの開発者会議「WWDC」で予想されるオンデバイスAIの動きに向けたもう一つの兆候です。いまだに情報開示は限定的ではありますが、これまでリリース前には徹底した秘密主義を貫いていた姿勢から考えると、少しアプローチが違うな、と感じます。それだけ市場の圧力が強いということなのでしょうか。また、Appleがオープンソースのコミュニティに踏み込んだことも注目に値します。

小型モデルの分野に参入する企業が増える中、Appleの「OpenELM」リリースは、デバイス上でのAI活用の可能性を広げる重要な一歩となるでしょう。最先端の言語モデルを研究コミュニティにも提供することで、AIの民主化に貢献すると期待されます。