遅れを取るApple：水面下で進む野心的な戦略

Appleは、これまでAIの野望について多くを語ってきませんでした。しかし、水面下では着々と準備を進めているようです。

Siriの共同開発者であるDag Kittlaus氏は最近、2024年にSiriが「クールな新機能」を備え、「AIの分野で真の力を発揮する」とツイートしました。実際、2017年以降、Appleは21のAI関連スタートアップを密かに買収し、重要なAI研究論文も発表しています。

さらに、「AppleGPT」と呼ばれる大規模言語モデル（LLM）が開発中であり、2024年6月のWWDCイベントでSiriとの統合が期待されています。新しいM3チップを搭載したMacBookも「世界最高のコンシューマー向けAIラップトップ」を謳っており、Appleがデバイス上でAIモデルを効率的に動作させる方法を見出したことを示唆しています。

ライバル企業がChatGPTブームに乗じようと躍起になる中、Appleは10億台以上のデバイスのためのAIハードウェアとソフトウェアの基盤を静かに築き上げてきました。オンデバイスAIの競争はまだ始まったばかりです。そして、Appleは遅ればせながらオンデバイスAIの競争において先頭集団を引っ張る態勢を着々と整えているようです。

6月のWWDCでは、ついにAppleのAI戦略の全貌が明らかになるでしょう。出遅れたとはいえ、Appleの潜在力を侮ることはできません。期待が高まっている分、世間をがっかりさせることのない革新的な発表を期待したいところです。