Apple、約 10 億ドル規模の Nvidia サーバーを発注し AI インフラを強化

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Apple が Nvidia の最先端サーバーを約 10 億ドル(約 1,500 億円)規模で発注し、Dell および Super Micro Computer と提携して初の自社内の生成 AI インフラを構築していることが明らかになりました。この動きは、Apple の AI 戦略における大きな転換を示しており、特に Siri の機能強化が思うように進まなかったことを背景にしていると報じられています。

報道によれば、Apple は Nvidia の「 GB300 NVL72 」サーバーを約 250 台発注しています。このサーバーは、Nvidia の次世代「 Blackwell Ultra 」チップを搭載したもので、1 台あたりの価格は 370 万ドルから 400 万ドル(約 5.5 億円から 6 億円)とされています。これらのサーバーは、72 個の Blackwell Ultra GPU と 36 個の Grace CPU を搭載しており、AI 推論性能が非常に高く、前世代の Hopper アーキテクチャに比べて 50 倍以上の性能を発揮するとされています。

この戦略転換は、いくつかの点で Apple にとって重要な意味を持ちます。まず、これまで自社チップにこだわってきた Apple が、Nvidia の GPU を大規模に採用することは、AI 分野での競争力を迅速に高めるための現実的な判断と言えます。また、10 億ドルという投資額は、Apple の時価総額(約 3 兆ドル)に比べれば小さいものの、AI 分野への本気度を示すシグナルです。さらに、Dell と Super Micro Computer との提携は、サーバー製造における信頼性とスケーラビリティを確保するものとなっています。

このサーバークラスターは、主に生成 AI モデルのトレーニングや運用に使用されると見られており、特に Siri を進化させるための大規模言語モデルの開発が焦点となっています。現在の Siri は、従来型の AI 技術に依存しており、生成 AI を活用した自然な対話や高度なタスク処理能力で競合に追いつく必要がありました。(先日関係者の話として Bloomberg が報じたところによると、次世代Siriのリリースは当初 2025 年 4 月にリリースを予定していましたが、現在は 2026 年にずれ込みそう、とのことでした)

Apple がこのインフラをどのように活用するかはまだ明らかではありませんが、Siri の大幅なアップデートや、Apple 製品全体での生成 AI 機能の統合が期待されています。また、プライバシーを重視する Apple の方針から、これらのサーバーは開発用途に限定され、製品内では引き続き Apple Silicon を利用した AI 処理を続ける可能性もあります。


筆者の視点:先日の GTC イベントで、NVIDIA のジェンセン・フアン CEO は、今後は各企業が自ら AI ファクトリー( AI 製造工場)を持つ時代になると語りました。つまり、従来のハードウェアやソフトウェアの開発工場に加えて、AI を開発・運用するための専用の施設が不可欠になるという考え方です。

実際に、テスラや xAI はその先駆的な存在であり、さまざまな業界の企業がそれに続く流れが加速しています。Apple も今回、その一環として自社の AI ファクトリーを構築することを発表しており、フアン CEO の発言は、こうした動きも視野に入れたものだったと考えられます。