Anthropic は先日、AI チャットボット「Claude」の新しいプレミアムサブスクリプション「Claude Max」を発表しました。このプランは既存の Pro プラン(月額約 20 ドル)よりも大幅に高い利用制限を提供し、特に業務で Claude を頻繁に活用するユーザー向けに設計されています。
Claude Max は月額 100 ドル(約 1.5 万円)と 200 ドル(約 3 万円)の 2 つの価格帯があります。100 ドルプランでは Pro プランの 5 倍、200 ドルプランでは 20 倍の利用制限が提供されます。具体的には 5 時間ごとに、100 ドルプランでは 225 メッセージ以上、200 ドルプランでは 900 メッセージ以上を送信できるようになります。ただし、メッセージの長さや会話の複雑さによって実際の制限は変動します。
利用制限の拡大に加えて、Max プランのユーザーは新機能への優先アクセスも享受できます。近日公開予定の「ボイスモード」などの新機能を他のユーザーより先に使えるようになるほか、サーバーが混雑するピーク時には優先的にリクエストが処理されます。また、大規模で複雑なファイルの処理能力も向上しています。
Anthropic のプロダクトリーダー Scott White 氏によると、この新プランは 1 年以上にわたりユーザーから寄せられた「より高い利用制限を求める声」に応えたものだといいます。特に、コーディングや財務分析、マーケティングなどの業務で Claude を深く活用しているプロフェッショナルからの需要が強かったとのことです。
このプランの発表は、OpenAI が昨年末に導入した月額 200 ドルの ChatGPT Pro プラン(無制限利用を提供)に対抗する形となっています。Anthropic の Max プランは完全な無制限ではありませんが、100 ドルという選択肢も設けることで価格選択の柔軟性を持たせ、幅広いユーザーニーズに対応する狙いがあります。
最近リリースされた高性能モデル「Claude 3.7 Sonnet」は特にコーディングや推論タスクに優れており、こうした高機能モデルの需要増加も今回のプラン導入の背景にあります。将来的には、ユーザーからのフィードバック次第でさらに高価格のプラン(月額 500 ドルなど)も検討する可能性があるとのことです。
生成 AI 市場では、モデル開発の膨大なコストをカバーするため、こうしたプレミアムサブスクリプションの導入が一般的になっています。Anthropic も高価格帯のプランを通じて収益を確保し、さらなる技術革新を支える戦略を取っています。