Anthropic は 2025 年 8 月に実施した内部調査の結果を 12 月 3 日に公表しました。AI ツール「Claude」の活用により従業員の生産性が大幅に向上する一方で、技術者のスキル低下への深刻な懸念も明らかになりました。
調査は同社の 132 名のエンジニアと研究者を対象に実施され、53 回の詳細インタビューと 20 万回の Claude Code セッション分析を含む包括的な研究となりました。結果として、従業員は業務の 60% で Claude を使用し、約 50% の生産性向上を報告しています。この数値は前年比 2〜3 倍の増加を示しています。
技術的な進歩も顕著で、Claude Code のエージェント機能は自動化できるタスクの連続処理能力が大幅に向上しました。6 ヶ月前は 10 ステップ程度の連続作業しか処理できませんでしたが、現在は約 20 ステップの連続作業を自律的にツールを呼び出して実行できるようになり、人間の介入をより少なくして複雑なワークフローを完遂できるようになっています。エンジニアはデバッグ(55%)を最も多く活用し、コード設計・計画の使用率は 1% から 10% へ、新機能実装は 14% から 37% へと大幅に増加しています。
一方で、多くのエンジニアがコーディングスキルの喪失を懸念しています。「アウトプット生成が簡単で速いと、実際に何かを学ぶ時間を取ることが困難になる」との声があがり、AI による基礎スキルの侵食を恐れる従業員も多くいます。一部のエンジニアは「毎日仕事に来て自分を失業させているような気分だ」と不安を表明しています。
Anthropic CEO の Dario Amodei 氏は、AI が 1 年以内にソフトウェアエンジニア向けのすべてのコードを書くようになると予測する一方で、AI を効果的に活用するためにはより多くのエンジニアが必要になる可能性があるとも述べています。
同社の推計では、現世代の AI モデルは今後 10 年間で米国の労働生産性成長率を年間 1.8% 向上させる可能性があり、これは近年の改善率の約 2 倍に相当します。Anthropic で起こっている変化は、今後数年間で多くのエンジニアリングチームが直面する現実の先駆けとなる可能性が高いと考えられます。
