Anthropic が AI エージェント時代を牽引する次世代モデル「 Claude 4 」を発表

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Anthropic は 2025 年 5 月 23 日、次世代 AI モデル「 Claude Opus 4 」と「 Claude Sonnet 4 」を発表しました。これらのモデルは、従来の AI アシスタントから AI エージェントへの進化を象徴する製品として注目されています。

Claude Opus 4 は、Anthropic 史上最も高性能なモデルであり、「世界最高のコーディングモデル」と位置づけられています。最大の特徴は、数千ステップに及ぶ複雑なタスクを数時間から 1 日以上にわたって自律的に処理できることです。実際に、ポケモンのゲーム攻略ガイドを 24 時間以上かけて作成したり、楽天のオープンソースプロジェクトで 7 時間連続の自律コーディングを実行した実績があります。

一方、 Claude Sonnet 4 は高効率・高応答性を重視した万能モデルとして設計されています。コードレビューやバグ修正、ソフトウェア開発の自動化など、迅速な応答が求められる用途に最適化されており、 64K トークンの長文出力対応や複雑な指示の理解・訂正能力も向上しています。

両モデルの技術的な革新として、「即時応答」と「拡張思考」の 2 つのモードを搭載している点が挙げられます。用途に応じて即座に回答をするか、より深い分析・計画を行うか、を自動的に切り替えることが可能で、 Web 検索などの外部ツールを並列で活用し、長期タスクでも重要情報を記憶・抽出できる「メモリファイル」機能も強化されています。

性能面では、 Claude Opus 4 が SWE-bench で 72.5% 、 Terminal-bench で 43.2% のトップスコアを記録し、 OpenAI の GPT-4.1 や Google の Gemini 2 Pro を上回る結果を示しています。価格は従来モデルと同等で、 Opus 4 が100万トークンあたり入力 15 ドル(約 2,175 円)・出力 75 ドル(約 10,875 円)、 Sonnet 4 が入力 3 ドル(約 435 円)・出力 15 ドル(約 2,175 円)となっています。

提供方法については、 Anthropic の API 、 Amazon Bedrock 、 Google Cloud Vertex AI などで利用可能です。 Opus 4 はプロ・エンタープライズの有料ユーザー向けに、 Sonnet 4 は無料ユーザーも含めて幅広く提供される予定です。

これらのモデルの登場により、 AI が「指示通りに答えるアシスタント」から「自律的に判断し、複雑なタスクを長時間遂行するエージェント」へと進化したことが明確になりました。アナリストらは、この変化により企業がより長時間・高難度な業務を AI に委任できるようになり、 AI 活用の幅が大きく広がると期待を寄せています。