Anthropic の CEO ダリオ・アモデイ氏は、2025 年 3 月 10 日に開催された外交問題評議会のイベントで、AI によるソフトウェア開発の急速な進化について注目すべき予測を示しました。アモデイ氏によれば、今後 3 ~ 6 カ月以内に AI が全コードの 90% を生成するようになり、さらに 1 年以内にはほぼ全て( 100% )のコードが AI によって書かれるようになる、とのことです。
この発言は、すでに多くの企業や個人開発者が GitHub Copilot や Google Code Assist などのツールを活用している現状を踏まえたものです。Y Combinator の CEO ギャリー・タン氏によると、2025 年冬バッチのスタートアップ創業者の 25% が AI 生成コードに大きく依存しており、そのうち 95% ものコードが大規模言語モデル( LLM )によって生成されているとの発言もあります。
アモデイ氏は、現状でもすでに AI がコーディングタスクの大部分を担い始めていることを強調しました。短期的には「設計パラメータや特定の要件を提供する」点に関しては、人間の開発者がまだ重要な役割を果たす、としていますが、最終的には AI がこれらの役割も吸収し、完全に自律したソフトウェア開発が可能になると予測しています。
一方で、AI 生成コードにはセキュリティや信頼性に関する課題も存在します。特に、大規模で複雑なコードベースでは、AI ツールがその構造を完全には理解できないことがあります。また、「ハルシネーション : 幻覚 」や誤った出力(バグ)が発生するリスクも指摘されています。IBM の CEO は、AI が近い将来にプログラマーを完全に置き換えるという見方に懐疑的な立場を示しています。
筆者の視点:AI が人間のコーディングタスクを代替する動きが着実に進んでいます。もともとプログラミング言語は論理的であり、AI との親和性が高いとされていました。そのため、多くのスタートアップがこの分野に取り組み、急速に発展しています。
さらに、世界中のプログラマーの数(全世界の推計で 2,500 〜 3,000 万人)を考えれば、有料サービスとして提供することで確実なリターンが見込まれ、大規模な市場が形成される可能性があるため、VC からの資金調達も活発に行われています。特に、スタートアップのインキュベーターとして名高い Y Combinator は、この分野に積極的に投資しており、ここ数年のバッチではプログラミング自動化をテーマにしたスタートアップが毎回大きな割合を占めているといわれています。
また、Anthropic の Claude は(ベンチマークはともかく)実際のプログラミングタスクにおいて非常に優秀なツールだと現場のプログラマーから高く評価されており、注目を集めています。そうしたツールを提供している同社の CEO である ダリオ・アモデイ 氏は、そもそもあまり大言壮語を言わないことで知られており、その人物が出した今回の予測は実現可能性が高い、信憑性のあるものとして受け止められています。