Anthropic は、医療分野に特化した AI アシスタント「Claude for Healthcare」を発表しました。OpenAI の「ChatGPT Health」発表直後のこの動きは、医療 AI 市場における競争の激化を示唆しています。
この新サービスは、同社の最新モデル「Claude Opus 4.5」を基盤とし、医療現場の管理業務の負担軽減や情報アクセス改善、複雑な意思決定を支援します。最大の特徴は、米国の医療情報保護法 HIPAA に準拠している点です。AES-256 暗号化やアクセス制御を実装し、機密性の高い患者データを扱う現場のセキュリティ懸念に対応。さらに Anthropic は、個人の健康情報がモデルの学習に使われることはないと明言しています。
機能面では「コネクター」という仕組みで、複数の医療データベースやプラットフォームと連携。医療機関は CMS のカバレッジデータベースや ICD-10 診断コードにアクセスし、事前承認や請求業務を効率化できます。また、PubMed と連携して 3500 万件以上の生物医学文献を検索・要約することも可能です。個人向けには、Apple Health などと連携し、医療履歴の要約や検査結果の説明といった支援を提供します。
Anthropic は、AI が間違いを犯す可能性があり、専門的な医療アドバイスを代替するものではないと強調。診断や患者ケアなどリスクの高い場面では、資格を持つ専門家によるレビューが必要だとして、責任ある AI の利用を促しています。
今回の発表は、AI 企業が汎用チャットボットから、規制が厳しく業務負担の大きい業界特化型ソリューションへと焦点を移している現状を反映しています。プロバイダー間の競争が患者の安全性やプライバシー、倫理性を重視することで、医療分野全体のイノベーションが加速することが期待されます。
