中国アリババがオープンソースの数学特化AI「Qwen2-Math」を発表、GPT-4oやGeminiも凌駕

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中国のテック大手アリババが、数学分野に特化した大規模言語モデル「Qwen2-Math」をオープンソースで公開しました。同社のAI研究所「DAMOアカデミー」が開発したQwenシリーズの一部で、数学の問題解決能力では商用モデルのGPT-4やGeminiの専門モデルをも上回る性能を示したとしています。

Image Source: Capture from Github

Qwen2-Mathは、北京大学の入試問題など高度な数学問題を完璧に解答できるレベルの能力を有しているとのこと。多言語対応と高い問題解決力を兼ね備えた先進的なAIモデルとして注目を集めています。

Qwenシリーズは英語や中国語など29言語でトレーニングされたLLMで、パラメータ数が5億から1,100億までの多様なモデルをラインナップ。テキストだけでなく音声や画像、動画の生成にも対応するマルチモーダルモデルも含まれています。

アリババはQwenシリーズを自社サービスに活用する一方、オープンソース化を積極的に進めており、Hugging FaceやGitHubで利用可能。2023年6月の発表以来、9万社以上に導入され、オープンソースコミュニティでは700万回以上のダウンロードを記録しています。

Qwen2.0では多言語能力とトークンサイズの向上が図られ、Qwen2.5では企業ユーザー向けの新機能も追加。アリババはAI技術の普及と発展を目的に、研究者や開発者が自由にモデルを利用・改良できる環境整備を進めています。中国勢のLLMオープンソース化競争も激化しており、業界の動向が注目されます。