ナイジェリアでの研究:AI を活用した教育が学習成果を大幅に向上させることが明らかに

投稿者:

世界銀行が主導し、ナイジェリアで行われた新しい研究によると、AI を放課後のチューターとして利用した学生が、わずか 6 週間で伝統的な教育の 2 年分に相当する学習成果を上げたことが明らかになりました。この研究は、AI を使った学習が先生の不足しがちな発展途上地域で大きな力を発揮できることを示すものとなっています。

研究では、12 歳から17 歳の学生を 2つのグループに分け、一方は通常の教育を続け、もう一方は AI プログラムに参加しました。AI プログラムでは、主に英語のスキル向上や AI リテラシー、デジタルスキルの習得に焦点が当てられました。

その結果、AI プログラムに参加した学生は、英語、AI スキル、デジタルリテラシーのすべての領域で、参加しなかった学生を大幅に上回る成績を収めました。さらに、AI プログラムの効果は他の科目の成績向上にも波及し、特にスタートする前は男子学生よりも成績が低かった女子学生が大きな進歩を遂げたことが報告されています。


筆者の視点:発展途上地域では、インフラの未整備に加えて、教師の不足も大きな課題となることが多く見られます。本研究では、AI を活用することでその問題を補完できる可能性が示されました。しかし、そのような地域では、そもそも安価なコンピュータや通信インフラを確保すること自体が難しいのではないか、とも感じます。

筆者が特に注目したのは、発展途上地域に限らず、学生が AI を適切に活用することで、自ら学習を深め、学習効果を高められる可能性がある、という点です。もしこれが経済状況に関係なく普遍的に当てはまるのであれば、非常に意義のある研究結果となるのではないでしょうか。他の地域でも、できるだけ同じ条件で並行して研究を実施することで、より興味深い知見が得られるのではないかと考えます。