Google Cloud が 2025 年 9 月 22 日に公開した最新の DORA レポート「 State of AI-assisted Software Development 」では、AI 支援型ソフトウェア開発への技術導入率が開発者の間で 90% に達した一方、AI の成果への信頼度は依然として低いという結果が示されています。
このレポートは、世界中の約 5,000 人の技術専門家からのアンケート回答と 100 時間以上のインタビューに基づいており、開発者の 90% が職場で何らかの形で AI ツールやサービスを利用していることが報告されています。これは前年比で 14.1% の増加であり、ほぼ普遍的な採用を示す数字です。コード執筆( 71% )、既存コードの修正( 66% )、文献レビュー( 68% )などで活用されており、1 日の中央値使用時間は 2 時間( 8 時間労働日の約 25% )に達しています。
80% 以上の回答者が AI により生産性が向上したと感じており、コード品質の改善を 59% が実感しています。また、AI 採用はソフトウェア開発の速度と製品パフォーマンスを向上させ、個人やチームのパフォーマンスにもポジティブな影響を与えていることが明らかになりました。
一方で、AI が出力したコードや提案を完全に信頼できると考える開発者は少なく、30% が「ほとんど信頼しない」または「全く信頼しない」と回答しています。「非常に信頼する」または「かなり信頼する」と答えたのはわずか 24% にとどまりました。多くの開発者は AI のアウトプットに対して慎重であり、「実用的だが、そのまま採用するのは危険」という印象が根強い状況です。
Google Cloud は、AI を単なるツールとして導入するだけでは不十分で、データ基盤やワークフローといった組織全体の仕組みを見直す必要があると指摘しています。また、開発者が AI の出力結果を適切に検証できるスキルを身につけることや、品質保証やセキュリティといった新たなリスクへの対応が、今後の課題として挙げられています。