Adobe Research と 香港科技大学( HKUST )は、AI 生成ビデオの背景を透明( Transparent )にする「 TransPixar 」を共同開発しました。この技術は、映画、ゲームなどの視覚効果( VFX )制作に役立つ可能性を秘めています。
従来はグリーンバックを使用して背景を透明にするのが一般的でしたが、TransPixar を活用することで、AI が生成したオブジェクト(人物、動物、煙、爆発など)の背景を自動で透明化できます。これにより、AI 生成オブジェクトを手持ちのビデオシーンに自然に組み込むことが可能になります。例えば、渦巻く嵐や魔法のポータル、割れたガラスといった、従来は処理が難しかった複雑なオブジェクトも簡単に映像に融合させることができます。
TransPixar は、テキストプロンプトから透明効果を含むビジュアルを生成できるため、クリエイターに新しいインスピレーションを与えます。また、静止画像に透明効果を追加してアニメーション化することも可能です。
VFX 制作の効率向上にも大きな影響が期待されます。TransPixar の導入により、透明効果の生成が高速化され、制作コストが削減されるため、小規模スタジオや独立系クリエイターでも高品質な VFX を手軽に制作できるようになります。さらに、ゲームや AR 、ライブプロダクションなどのリアルタイムアプリケーションにおいても、複雑なオブジェクトの即時レンダリングが可能となるため、表現の幅が広がります。
TransPixar のコードは GitHub で公開され、Hugging Face でデモが提供されています。ただ、純粋なオープンソースということではなく、商用利用は禁止され、非商用利用や研究目的では無料で使用することが可能です。
筆者の視点:TransPixar は、あまり目立たずひっそりと公開された印象ですが、クリエイティブな現場ではかなり重宝されるツールなのではないでしょうか?いずれ Adobe 製品に統合されて正式に商用利用できるようになるとは思いますが、その日が待ち望まれます。