アドビが 2025 年 4 月 2 日、ビデオ編集ソフト Premiere Pro の最新バージョン 25.2 で、 Firefly AI を活用した「 Generative Extend 」機能を正式に一般提供開始しました。この機能により、動画編集者は動画やオーディオクリップを AI の力で自動的に延長できるようになります。
ベータ版から正式リリースとなった「 Generative Extend 」の主な特徴は 4K 解像度への対応です。クリップの冒頭または末尾に最大 2 秒間の追加フレームを生成でき、映像のギャップを埋めたり、トランジションを滑らかにしたり、ショットのタイミングを調整したりすることが可能になりました。また、環境音(アンビエントオーディオ)は最大 10 秒間延長できるようになりました。ただし、会話や音楽の延長には対応していません。
この機能は、撮影ミスでクリップが短すぎる場合や、感情的なシーンをもう少し長く見せたい場合に再撮影せずに済むため、編集者のワークフローを大きく改善します。
同アップデートでは、 AI を活用した「 Media Intelligence 」検索機能も追加されました。テラバイト単位の膨大な映像から必要なクリップを数秒で見つけ出せる機能で、自然言語での検索や、コンテンツ、対話、メタデータに基づくフィルタリングが可能です。また、「 Caption Translation 」機能により、ビデオの字幕を 27 言語に自動翻訳することもできるようになりました。
Generative Extend は今回のリリースからしばらく、期間限定で無料で利用できますが、その後は Firefly 生成クレジットが必要となります。クレジットの消費量はビデオのフォーマット、フレームレート、解像度によって異なり、 Creative Cloud の基本プランでは月 500 クレジット、フルパッケージでは月 1,000 クレジットが付与されます。別途、 Firefly クレジット単体プラン(月 2,000 クレジットで 10 ドル(約 1,450 円)から)も提供される予定です。
商用利用の安全性も確保されており、 Firefly モデルはアドビストックやパブリックドメインの素材でトレーニングされています。生成されたコンテンツには「 Content Credentials 」メタデータが付与され、AI 生成であることがわかるようになります。