a16z が「 GenAI Consumer Apps Top 100 第 5 版」を公開、 ChatGPT が圧倒的 1 位を維持

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アメリカの著名ベンチャーキャピタル Andreessen Horowitz ( a16z )は 8 月 28 日、消費者向け生成 AI アプリケーションのランキング「 Top 100 GenAI Consumer Apps 第 5 版」を公開しました。このレポートは、ウェブの月間ユニーク訪問者数とモバイルの月間アクティブユーザー数に基づいて世界の AI アプリ・サービスの現状を分析しています。

ランキングでは OpenAI の ChatGPT がウェブとモバイルの両方で圧倒的な 1 位を維持しています。 2 位には Google の Gemini が急成長でランクインしています。ただ、1 位と 2 位の差は大きく、(きちんとした公開情報は少ないですが)今年前半のデータによると ChatGPT の月間訪問数が約 20 億回に対し Gemini は約 4 億回程度と、約 5 倍の開きがあると推計されています。また、モバイルでは ChatGPT の月間アクティブユーザー数が約 1 億 7,500 万人に対し、 Gemini は「 ChatGPT の約半分」とされており、約 8,000 ~ 9,000 万人程度と見られています。

Google は今年から複数の独自プロダクトでランクインが目立ちます。開発者向けの「 AI Studio 」がトップ 10 入りし、 AI を活用した研究支援ツール「 NotebookLM 」も 13 位にランクインしています。特に Gemini はモバイル(Android 端末)で高いシェアを獲得しています。Gemini のモバイルでの Android ユーザー比率は 90 %と、 ChatGPT の 60 %を大きく上回っています。

今年の大きなトレンドの一つが「 Vibe Coding 」(直感的コーディング体験)の台頭です。 Bolt や Lovable 、 Replit などの新興サービスが目立つ成長を見せており、プログラミングの専門知識がなくても、直感的な操作でアプリケーション開発ができる環境が整いつつあります。これらのプラットフォームは月額課金の金額も増加傾向にあり、今後の市場拡大が期待されています。

中国系 AI アプリも特にモバイル分野で存在感を示しています。トップ 50 モバイルアプリのうち 22 件が中国発で、 Bytedance ( Doubao 、 Cici 、 Gauth 、 Hypic )や、画像・動画編集で 5 つランクインした Meitu などの多角的展開が顕著です。中国国内の規制環境を背景とした独自の発展と国外展開の両方が進んでいます。

レポートでは収益化の観点も初めて分析しており、リスト掲載アプリの 90 %が収益を上げ、大部分がサブスクリプションモデルを採用していることが明らかになりました。月額平均は 21 ドル(約 3,087 円)で、ニッチで高価値な AI ツールでは月額 200 ドル(約 29,400 円)の高額プランも登場しています。

AI エコシステムは安定化の兆しを見せており、今回のウェブランキングでは新規参入が 11 件と、 3 月の 17 件から減少しました。一方でモバイルでは 14 の新顔が登場しており、モバイル市場はまだ新規参入の余地がありそうです。