OpenAI は 2026 年 7 月 22 日、企業向け AI エージェント製品「Presence」を正式に発表しました。顧客対応から社内業務まで、音声・チャット型の AI エージェントを企業全体に展開するための管理基盤として位置づけられています。
Presence が目指すのは、AI をデモや実証実験の段階から本格的な業務運用へと引き上げることです。業務ルールや対応手順、禁止事項の設定、エージェントが取れる行動の範囲指定、そして人間への引き継ぎ条件の定義まで、運用に必要な機能をひとつにまとめています。まず請求処理や保険金請求、社内 IT の問い合わせ対応といった個別業務から導入を始め、段階的に活用範囲を広げていく設計です。本番稼働前にはシミュレーションテストで動作を確認でき、稼働後も実際のデータをもとに自動で改善提案が届く仕組みが組み込まれています。
OpenAI は自社の英語電話サポート( 1-888-GPT-0090 )ですでに Presence を運用しており、受け付けた問い合わせの 75% を人手を介さずに解決しています。さらに運用開始からわずか 10 日間で、担当者への転送率を 15 ポイント改善したとしています。
早期に採用を検討している企業としては、メキシコでの日常的な銀行業務に活用を探る BBVA 、日本語での顧客対応をテスト中の SoftBank 、台風や大雨といった災害時の問い合わせ急増への対応策として評価中のオーストラリアの保険会社 IAG が挙げられています。
提供方法も特徴的で、Presence は誰でも使えるセルフサービス型ではなく、OpenAI のコンサルティング子会社「OpenAI Deployment Company」の専任エンジニアが企業に伴走しながら導入を支援する形をとっています。同社は評価額 100 億ドル(約 1 兆 5,000 億円)でスタートし、英国のコンサルティング会社 Tomoro の買収によって約 150 名の経験豊富なエンジニアを加えています。
発表当日、Salesforce が 7.7% 、HubSpot が 12.7% 、Workday が 9.9% それぞれ下落しました。これらの企業はいずれも自社の AI 製品に OpenAI のモデルを活用してきた経緯があり、OpenAI が顧客企業へ直接サービスを提供し始めたことへの警戒感が株価に表れた形です。
OpenAI は、Presence の価格体系は今後の一般提供の拡大に合わせて順次公表するとしています。また既存の API 提供は継続するとも明言しており、今回の製品はその代替ではないと説明しています。
