Anthropic OpenAI カンファレンス・調査報告

Ramp AI Index:AnthropicがOpenAIを法人採用率で初めて上回る

Ramp AI Index:AnthropicがOpenAIを法人採用率で初めて上回る
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企業の支出データを分析する米国の金融プラットフォーム Ramp が 2026年5月13日 に発表したレポート「Ramp AI Index」によると、 AI 開発企業の Anthropic が企業への導入率で初めて OpenAI を上回りました。

同レポートは 5 万社以上の米国企業における法人支出の実績データをもとに作成されています。 2026年4月 時点では、 Anthropic の導入率が前月より 3.8 ポイント増えて 34.4% に達した一方、 OpenAI は 2.9 ポイント減の 32.3% に後退しました。 Anthropic の導入率は 2023年6月 時点にはわずか 0.03% でしたが、 3 年足らずで 34% を超えるまでに拡大しています。

この急成長を支えているのが、エンジニア向けのコーディング支援ツール「 Claude Code 」です。世界の GitHub 上で公開されている全プロジェクトの 4% が Claude Code によって書かれているという分析もあり、 Anthropic の製品の中で最も速く普及しています。同社 CEO の Dario Amodei 氏は、 2026年第 1 四半期の売上・利用量が前年比 80 倍に達したと述べており、社内の当初見込みの 10 倍を超える結果となりました。 Claude Code 単体でも 2026年2月 時点で年換算 25 億ドル(約 3,750 億円)超の売上を上げているとされています。

大手企業の現場でも変化が起きています。 Uber の CTO は、 Claude Code などの活用によって 2026年の AI 関連予算をわずか 4 か月で使い切ったと明らかにしました。同社のエンジニアが AI ツールを業務で使う割合は、 2025年12月 の 32% から 2026年3月 には 84% まで上がっています。

もっとも、成長が急速な分、課題も出てきています。 Ramp のレポートは、サービスの安定性の低下、コスト構造のひずみ、画像処理にかかるトークンコストの増大という 3 つのリスクを指摘しています。急激な利用増加を背景に、運用障害やレート制限への不満が相次いで報告されるようになりました。これを受けて Anthropic は 4 月、混雑による利用制限で使いづらさを感じていた全ユーザーを対象に利用制限をいったんリセットし、サービスを使いやすい状態に戻す措置を講じました。あわせて Google、Amazon、SpaceX などの企業と計算資源の調達契約を締結するなど、処理能力の増強にも積極的に乗り出しています。

なお、同レポートの調査対象はテクノロジー系やベンチャー投資を受けた企業に偏っており、 Anthropic の優位を実態以上に強調している可能性がある点は留意が必要です。また変化の速い AI 業界では、ひと月のリードが安定した競争優位に直結するとは限らないため、今後も安定して Anthropic が OpenAI を上回っていくことができるのか、注目してみていきたいと思います。