Meta と Amazon Web Services( AWS )は 2026 年 4 月 24 日、複数年にわたる大型契約の締結を発表しました。期間は 3 〜 5 年で、規模は数十億ドル(約数千億円)に上ります。契約の柱となるのは、 AWS が独自開発した CPU チップ「 Graviton 」の大規模導入で、 Meta は数千万コア規模のチップを活用して AI エージェントや関連サービスのハードウェア基盤を強化していく方針です。
Meta が採用した Graviton5 は、 昨年 12 月に登場した最新モデルです。 3 ナノメートルという先端の製造プロセスで作られた 192 コアを搭載しており、前世代と比べてパフォーマンスは最大 25 % 向上、キャッシュ容量は 5 倍、チップ内の通信遅延は最大 33 % 改善されています。消費電力も 60 % 削減されており、性能とコスト効率のバランスが評価されての採用となりました。
今回の契約が示しているのは、 AI インフラの使われ方が変わりつつあるという現実です。これまで AI といえば GPU による大規模なモデル学習が主役でしたが、最近急速に広まっているエージェント型 AI は少し異なる動き方をします。指示を受けて自律的に複数の処理をこなすエージェント型 AI は、情報の検索や判断、タスクの段取りといった処理を絶え間なく繰り返すため、そうした用途に適した CPU の重要性が改めて高まっています。 Meta のインフラ部門責任者である Santosh Janardhan 氏も「調達するチップの種類を分散させることは、戦略上の必須事項だ」と語っており、今回の契約はその方針を体現するものといえます。
Meta の AI 投資はこれだけにとどまりません。今年に入って Nvidia に約 500 億ドル(約 7 兆 5,000 億円)、 AMD に約 600 億ドル(約 9 兆円)を確約しており、今回の AWS との契約もその流れの中に位置づけられます。 2026 年の設備投資計画は 1,150 億〜 1,350 億ドル(約 17 兆 2,500 億〜 20 兆 2,500 億円)と、すでに記録的だった 2025 年の 720 億ドル(約 10 兆 8,000 億円)のほぼ 2 倍に達する見込みです。
アナリストの Matt Kimball 氏は「 AI の処理は今後、 CPU 、 GPU 、専用チップがそれぞれの得意領域を担う形に進化していく」と見ており、一種類のチップに頼る時代は終わりつつあると指摘しています。発表を受けて、 Meta 株は 0.6 % 、 Amazon 株は時間外取引で 1.4 % 上昇しました。
