NVIDIA は 2026 年 3 月 16 日から 19 日にかけて、米カリフォルニア州サンノゼで年次カンファレンス「GTC 2026」を開催しました。世界 190 カ国以上から 3 万人以上が参加したこのイベントでは、ジェンスン・ファン CEO が 2 時間超にわたるキーノートを行い、同社の最新技術戦略を披露しました。
今回の発表の目玉となったのが、次世代 AI コンピューティングプラットフォーム「Vera Rubin」です。複数のチップとサーバーシステムを組み合わせた統合基盤で、現行の Blackwell と比べてトレーニング性能は 4 倍、電力効率(ワットあたりの推論性能)は 10 倍に向上するとされています。AI 処理の高速化と省エネルギー化を同時に追求した設計で、大規模なデータセンター運営コストの削減につながると期待されています。
企業向けには、社内での AI エージェント活用を安全に進めるための仕組み「NemoClaw」が発表されました。セキュリティや情報漏えい対策の機能をあらかじめ組み込んだ構成になっており、専門的な知識がなくても一定のガバナンスを確保しながら AI を導入できる点が特徴です。また、昨年 12 月に 200 億ドル(約 3 兆円)で買収した Groq の技術を組み合わせた推論専用プロセッサも発表され、従来より大幅に効率よくテキスト生成処理を行えるようになります。
自動車・ロボット分野にも大きな動きがありました。NVIDIA と Uber は自律走行車の展開に向けた提携を拡大し、 2027 年前半にロサンゼルスとサンフランシスコでサービスを開始、 2028 年までに世界 28 都市へ広げる計画です。ヒューマノイドロボット向けの基盤 AI モデルも新バージョンが発表されており、工場や医療現場など幅広い用途での実用化が見えてきました。
オープンな AI モデルの共同開発を目指す「Nemotron Coalition」には、フランスの Mistral AI や検索 AI の Perplexity など 8 社が創設メンバーとして参加しています。開発したモデルは公開される予定で、特定企業に依存しない AI 基盤の整備に貢献することが期待されます。
ビジネス面でも力強い数字が示されました。ファン CEO は主力 2 製品ラインで 2027 年までに 1 兆ドル(約 150 兆円)の受注を見込むと表明。今四半期の売上高は前年比約 77 % 増の約 780 億ドル(約 11 兆 7,000 億円)に達する見通しで、ゴールドマン・サックスも「買い」推奨を継続しています。 AI への設備投資需要が世界規模で拡大するなか、 NVIDIA の存在感はさらに増しそうです。
