xAI の巨大スパコン「Colossus 2」稼働と、電力・規制が示す課題

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イーロン・マスク氏が率いる xAI は、AI モデル「Grok」を稼働させるためのスーパーコンピューター「Colossus 2」が稼働を開始したと発表しました。この施設は、世界初のギガワット級のトレーニングクラスターを目指しています。

計画では、NVIDIA 製の Blackwell AI アクセラレーターを 55万基搭載する予定です。xAI は最近、200 億ドル(約 3兆1920億円)の資金調達を完了しており、この資金をインフラ拡張に投じる方針です。最終的な総容量は約 2 GW を目指しており、これは AI のトレーニング施設としては異例の規模です。建設はテネシー州メンフィスで進められており、前身である「Colossus 1」が敷地の準備からわずか 122 日で稼働した実績から、その建設スピードも注目されています。

しかし、マスク氏による「稼働開始」の発表に対しては、いくつかの課題が指摘されています。AI 研究機関 Epoch AI の研究者は、最近の衛星画像を分析した結果、データセンターの冷却能力が約 350 MW にとどまる可能性を指摘しました。これは、計画されている 55万基の GPU をフル稼働させるには不十分な能力です。

大規模な電力供給も大きな課題です。Colossus 2 が計画通りフル稼働した場合、その電力消費量は米国の都市サンディエゴの約 1.7 倍に達すると試算されています。xAI は電力確保のためにメタンガスタービンを使用する計画ですが、米国の規制当局は、この施設が必要な大気質許可を得ていないため違法であるとの判断を下しています。

xAI の Colossus 2 は、その大規模な計画と迅速な開発で AI インフラの新たな可能性を示しています。一方で、冷却能力、電力供給、そして規制の遵守といった現実的な課題も明らかになりました。Amazon や Google などの巨大テック企業との AI 開発競争が激化する中、xAI がこれらの課題を乗り越え、Grok の性能を向上させられるか、今後の動向が注目されます。