音声 AI を手掛ける ElevenLabs とヨーロッパ最大の通信事業者ドイツテレコムは、カスタマーサポートに AI 音声エージェントを導入するための提携を発表しました。この取り組みにより、アプリや電話を通じた 24 時間年中無休のサポートを待ち時間なしで提供し、顧客体験の向上と業務効率の改善を目指します。
ドイツテレコムは以前から「Ask Magenta」というAI チャットボットを導入するなど、カスタマーサポートへの AI 活用に積極的でした。今回の提携は、同社のデジタル化戦略をさらに推し進めるものです。主な目的は、人間のように自然な対話が可能な AI 音声エージェントによって、顧客がいつでもサポートを受けられる環境を構築し、やり取りにおけるストレスを軽減することにあります。
この変革を支えるのが、ElevenLabs の高度な対話型 AI プラットフォームです。ディープラーニングを活用して生成される音声は、人間の声と区別がつかないほどリアルで、自然なイントネーションや感情のニュアンスまで再現します。また、超低遅延で応答するため、従来の自動電話システムで課題だった不自然な間がなく、スムーズな会話が可能です。
この AI 音声エージェントは、2026 年 1 月頃に本格展開が発表され、アプリと電話の両方で利用可能になります。ElevenLabs の社内データによれば、このエージェントはユーザーの問い合わせの約 80% を解決できるとされています。ただし、トラブルシューティングや料金に関する複雑な問題については、依然として人間のオペレーターへの引き継ぎが必要となる場面もあります。
この提携は、ドイツテレコムにとって顧客満足度の向上とコスト削減を両立させる戦略的な一手です。日常的な問い合わせを AI が処理することで、人間のエージェントはより専門性が求められる複雑な問題に集中できるようになります。また、ドイツテレコムは OpenAI との協業も発表しており、「AIネイティブな通信事業者」を目指すという強い意志を示しています。ElevenLabs とドイツテレコムの取り組みは、通信業界における顧客サービスの未来を占う先行事例となるでしょう。
