【資金調達:IPO】中国AIスタートアップMiniMax、香港上場で約988億円を調達

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中国の AI スタートアップである MiniMax Group Ltd. が香港証券取引所での新規株式公開(IPO)を通じて約 6 億 1900 万ドル(約 988 億円)を調達し、生成 AI 分野に対する投資家の強い関心があらためて示されました。この上場により、同社の評価額は約 93 億ドル(約 1 兆 4843 億円)に達し、中国における主要な独立系 AI 企業としての地位を固めています。

2021 年 12 月に設立された MiniMax は、テキスト、音声、画像などを生成する大規模言語モデル(LLM)とマルチモーダル基盤モデルの開発を手掛けています。消費者向けには、AI キャラクターと対話できるアプリ「Talkie」や、マルチモーダルプラットフォーム「Hailuo AI」を提供しており、「Talkie」は米国市場でも高い人気を獲得しています。

今回の IPO では、提示価格帯の上限である 1 株 165 香港ドルで株式が売却され、募集は大幅なオーバーサブスクライブとなりました。特に個人投資家からの応募は募集数の 1,837 倍に達し、市場の強い需要を反映しています。初値は IPO 価格を 42.7% 上回るなど、好調なスタートを切りました。調達した資金の 70% は、今後 5 年間の大規模モデルの研究開発に充てられる計画です。

MiniMax の IPO 成功は、競合の Zhipu AI が香港で上場した直後の出来事であり、香港のテクノロジー関連 IPO 市場が活気を取り戻しつつあることを示唆しています。MiniMax は、OpenAI や Anthropic といった欧米の巨大企業に対し、比較的少ないリソースで開発を進める「無駄のないアプローチ」で評価されています。その株価の動向は、中国の AI 企業が米国勢の対抗馬となりうるかを見極める指標としても注目されるでしょう。

しかし、同社は厳しい競争環境や課題にも直面しています。国内外の巨大テック企業との競争は激化しており、2025 年最初の 9 ヶ月間で 5 億 1200 万ドル(約 817 億円)の損失を計上するなど、収益化はまだ先です。さらに、同社の動画生成ツールが著作権を侵害しているとして Disney や Warner Bros. から訴訟を起こされており、AI 生成コンテンツをめぐる法的なリスクも抱えています。

今回の資金調達は MiniMax の研究開発を加速させる原動力となりますが、グローバルな競争、収益性の確保、そして法的な課題を乗り越え、持続的な成長を遂げられるかどうかが今後の焦点となります。