中 MiniMax、多言語プログラミングに特化したAIモデル「M2.1」をリリース

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中国の MiniMax は 2025 年 12 月 23 日、多言語プログラミング能力と実世界のタスクへの対応力を大幅に強化した AI モデル「M2.1」をリリースしました。このモデルは、前身である M2 がコストとアクセシビリティを重視していたのに対し、より幅広いプログラミング言語と現場での実用性を追求し、業界でも高水準の性能を目指しています。

M2.1 の最も大きな特徴は、その優れた多言語プログラミング能力です。多くの AI モデルが Python の最適化に注力してきたのとは対照的に、M2.1 は Rust、Java、Golang、C++、TypeScript など、幅広い言語で系統的な機能強化を実現しました。これにより、低レベルのシステム開発からアプリケーション開発までを網羅し、Web3 プロトコルにも最適化されています。

その性能は複数の主要ベンチマークで示されています。多言語シナリオを評価する Multi-SWE-Bench で 49.4% のスコアを達成し、Claude Sonnet 4.5 を凌駕、Claude Opus 4.5 に迫る結果を出しています。また、MiniMax が独自に確立したベンチマーク「VIBE」では、生成されたアプリケーションの対話ロジックと視覚デザインを評価し、平均スコア 88.6 という高いパフォーマンスを発揮しました。

性能の高さに加え、M2.1 は 100 億(10B)という比較的軽量なアクティブパラメータで動作し、費用対効果にも優れています。報告によると、Claude Sonnet 4.5 と同レベルの性能を約 10 分の 1 のコストで提供可能としています。入力トークンの価格は 100 万あたり 0.30 ドル(約 47 円)と設定されており、開発者にとって利用しやすい価格帯です。

さらに M2.1 はオープンソースモデルとして提供され、モデルのウェイトは Hugging Face などを通じてローカルでの実行が可能です。これは、より多くの開発者や企業が AI を活用したソリューションを迅速に導入することを後押しするものとなります。

MiniMax M2.1 は、卓越した多言語対応、Web およびモバイル開発能力、そして高いコストパフォーマンスを両立させたモデルです。オープンソース戦略と合わせ、今後の AI を活用した開発現場において、有力な選択肢の一つとなることが期待されます。